本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

秋田県東村瀬村のすごい学習法  主婦の友社編

親の収入差が、子どもの学力差に大きく影響する。
東大に合格する人たちの親の年収は、60%以上が1000万以上だという統計が発表されています。
数字で見ると、かなりレベルの高い大学だと、小さなころからの塾代など費用は莫大になりそうですね。

しかし、今日紹介する本は、
日本一効率的な教育がされている、学力テストの結果も日本で1・2を争う秋田県のいなか町東成瀬村の教育についてです。
ここは、親は共働きが多く、塾に通う子どもも多くありません。
しかし、3世帯家族が多く地域とのつながりが強い場所です。
その強みを教育に生かし、学校や家庭・地域が協力し、子どもたちを育てる昔ながらのコミュニティーがあります。
オンラインのこの時代に逆行するようですが、昔ながらの良さに加え、戦略的に教育を改善することで成果が出ている村でもあるんです。
今日は、戦略の部分を中心に本を紹介していきます。

 

今回も、自分なりに簡潔にまとめると(ちなみにスマホでは結構長め)
「自主学ノートや授業ノートで、自分で学習する方法を1年生から定着させれば、学力は伸びる」です。

 

教育長の言葉を引用すると
「やる気のない子どもはいません。どうすればよいか分からなくて足踏みしているだけ。家庭学習のやり方を理解し、自ら学ぶ楽しさを味わうことができれば自分から勉強するようになる。」
と書かれています。全くその通り。
「小学校ですることはこれだー」と確信しテンションが上がりました。
じゃーどうすりゃいいのとなると思うので、そこを2つ紹介します。

 

1つめは、「自主学ノート」です。
これは、宿題のことですが、よくある先生から指示的な学習をするのではなく、
自分で課題を見付け、学校から教えてもらいつつ自分なりの学習方法を確立していく宿題です。
自主学の細かなやり方やテクニックは本で確認してもらうことにして、その意義に感銘したので伝えます。
これは、「家庭での学習習慣の定着をさせるために行うこと」しかも、子ども自らが望んで進んで学習をするという魔法をかけることなんです。
だから、自主学において「叱る、注意する」はせず、「ほめる、友達と進んで競わせる」など内発的動機付けに焦点を当てることが一番大切です。分かっちゃいるけど・・・と思うあなた、子どものために根気よくやってみてください。

 

2つめは、「授業ノート」です。
これは、先生のみになってしまいますが、ノートは何のためにあるか、を考えてください。
それは、自分の学習したことを振り返るためにあるんです。
そこを徹底的に見やすくするのが授業ノートのポイントです。
またまた、細かいところは本で確認してください。
(さぼってるわけじゃないけど、ここは自分でやることが大切だからあえてですよ。)

 

過疎化してもおかしくない、東成瀬村生存戦略だと思ったのでそこだけ紹介します。
授業ノートは、なんと義務教育9年間、小中学校が連携して、同じルールでノートづくりをしています。
だから、子どもたちは安心し、しかも学年が上がるにつれてレベルアップする仕組みになっています。
学べる環境づくりこそが生存戦略だと感じました。
今日はここまでにしたいと思います。まだまだ詳しいことが本に載っていますので、よかったら手に取ってください。どれでは、また次の本でお会いしましょう!!