本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

10歳からの子育て - 高濱 正伸 著 ー

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今回紹介する本の著者は、子育てに興味がある人なら聞いたことがある、
高濱正伸さんです。メディアによく出演されています。花まる学習塾という、「作文」「読書」「思考力」「野外学習」などを行いながら、「飯が食える」「人からモテる」よう人間力を鍛えながら学習する、塾を経営されています。

では、いつもながら前半で内容をまとめてみます。
男女の違いを知れば家庭が変わり、家庭が変われば子育てが変わり、人間力豊かな大人に成長するです。

本のタイトルに「10歳から」とありますが、これは個人差があるので、必ずしも10歳ではありません。要するに思春期が始まる時期ということです。また、思春期が過ぎると間に合わないということでもありません。ただこのタイミングはとても大切なので、お子さんが10歳になるまでに読むことをお勧めします。

ながーい本なのでポイントを「男女の違いってどういうこと?」「父親・母親の役割って何?」の2つに絞ってお伝えします。

1つ目のポイント「男女の違いってどういうこと?」を紹介します。
これは知ってるとは思いますが、かなり奥が深いので読み飛ばさないでください。
まず、大人の会話の違いです。男性は女性の話を聞くとき「脈絡のない話をダラダラせずに、要点だけを話して、解決策を話し合おう」と効率にこだわり、結論を探そうとします。ただ共感してほしい女性は、その態度を見てイラっとし、ディスコミュニケーションとなって仲が悪くなっていきます。これ男性なら全員が経験していると思います。逆に言うと、女性の話を最後まで黙って聞いていられる男性はモテますね。

男性が女性に話をするときは、できればマウントを取りたいと思って理論的に話し、女性が納得することに優越感を感じ、いい気分になりたいと思っています。ここで、女性が揚げ足を取ってマウントを取りにくると男性は、イラっとして話すことを止めてしまいます。これも会話が成り立ちません。男性は、ホステスさんのように話を聞いてくれることを望んでいるので、これができる女性はモテますよね。結局、お互い鏡のように、自分の話を聞いて共感してほしい、意見などは全部聞いてから少しだけにしてほしいと思っているんです。かなり個人的な思いが入っているかもしれません。ちょっと熱くなってきたので、温度差が出ないうちに冷静に本題に戻ります。

次に、子どもの成長の違いです。特に、女性が男の子の行動が理解できないという人はしっかりと読んでくださいね。
男の子は、大人にはできないような危険なことに果敢に挑戦しようとします。私も、子どものとき10段の階段から飛び降りたり、一人で降りれないようなところまで木登りしていました。また、くだらない物を集めて、量を友達と比べます。私は、石や牛乳キャップを集めていました。何が言いたいかというと、男の子は誰かと比べてマウントに立ち、「すげえ」と言われたいんです。ただそれを求めて、変な行動をします。だから、女性は男の子の奇行が理解できないと思います。私は、痛いほど分かります。

女の子は、小さくても現実をしっかりと見ています。なので、おままごとをすると、やたらとリアルに家庭内を描写していることってありませんか?そして、事細かに相手に演技を求めます。お姫様のような夢の世界が好きなように見えますが、実はかなり現実主義なんです。そして、何かとかわいいものに反応します。これは、自分が「かわいい」と言ってほしいアピールでもあるようです。
このように男女で考え方は、小さいときから違います。男の子には「すごーい」女の子には「かわいい」を言ってあげるだけで、10歳まではある程度喜んでくれます。

でも、思春期を過ぎると、この手にはのりません。なぜなら、しっかりと現実が理解でき、大人が本心で言っていないことを見破るようになります。そして、メディアなどで、社会の本当の姿を知り、大人に対して不信感が高まるからです。こうなると、これまでのやり方をガラッと変えないといけなくなります。大人が真剣に子どもと向き合い、対等な立場で関わることが必要になります。そこで、父親・母親がタッグを組んで同性の子どもに積極的に関わってほしいんです。

2つめのポイント「父親・母親の役割って何?」をお伝えします。特に、同性への影響をお伝えします。
まず、お母さんの役割です。
家庭においてお母さんは、間違いなく一番大切なポストです。お母さんが笑顔で幸せを感じている家庭は皆、平和です。子どもはみんなお母さんのファンです。お母さんの期待に応えたくて、いろいろなことを頑張ります。これは、変なことがない限り一生続くといっても過言ではありません。でも、思春期はこれを素直に表すのが恥ずかしいんです。だから、反抗的になったり、注意を無視して、お母さんが好きなことを気付かれないように演じているのです。特に、男の子は、周りの目を気にして、お母さんと必要以上に関わらないようにします。関わりが浅いほど、逆に意識して、無理やり演じていると思っていて大丈夫です。これは私の体験談です。
女の子は、何かとお母さんを見ていて真似をします。よくあるのは化粧道具を借りる・衣類を借りるなど、お母さんは女の子の「生き方モデル」となっています。それくらいお母さんのことを注目しているので、嫌なところも当然見えてしまいます。そして、それを女性特有の嫌味を交えて冷静に指摘してきます。これは、「生き方モデル」にしていいのかテストされていると考えてください。そこに、逆上せず、「自分だったらこうしてほしい」という対応を考え、娘の指摘の正しさを認め謝ることも大切になります。そうすれば、こんな女性になりたいと尊敬の目に変わるはずです。また、女の子は恋愛話が好きなので、積極的に昔の自分の恋愛話をしてみてください。そうすれば、頼りになる先輩OLと後輩のような関係が築けるはずです。

次に、お父さんの役割です。
一番の役割は、徹底的にお母さんのサポートです。先ほども言いましたが、家庭の最重要ポストはお母さんです。残念ながら、お父さんではありません。いくら会社で成果を出していても、家の外ではヒーローでもお母さんには勝てません。
そして、家で一番重要な仕事は、家事を手伝うことではなく、お母さんの話を共感しながら聞くことです。優先順位は、「話を聞く」をしてから、「家事を手伝う」です。もちろん、両方必要ですが、順番を逆にしてしますと、家事をがんばってるのにうまくいかないとなることがあるので、要注意です。
次に、公園などで思いっきり「遊ぶ」ことです。男性のほうが体力がありますし、趣味など遊び心が旺盛なのも男性です。お仕事でお疲れとは思いますが、お母さんは公園で親子で遊ぶお父さんの姿を見て癒されるはずです。がんばってください。
最後に、お母さんでは対応できなくなった、力の強い思春期の男の子の最後の砦となるのがお父さんです。叱るときは、本気でぶつかり「ガンッ」と毅然とした態度がとても大切になります。

いつものように長くなってしまいましたが、難しいけどとても重要なことだと思い、本の内容を自分なりの解釈でお伝えしました。参考になれば幸いです。
「共感したな」と思っていただければ、コメントなどしていただけると嬉しいです。
では、また次の本でお会いしましょう!!