本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

「心が強い人」は人生思い通り 神メンタル  ー 星 渉 著 ー

今回、ご紹介する本の著者は、わたしの大好きな「星渉」さんです。3冊目になります。この方は、心理療法認知心理学脳科学を学ばれて、コーチングなどの手法を取り入れて多くのビジネスマンの夢を実現するサポートをされています。心理系はわたしの大好きなジャンルですが、内容は濃いし途中でワークもあったので、読み切るのに4時間ほどかかりました。ですが、読み終わった後は、爽快な気分になり、夢の叶え方が分かったと錯覚したほどです。この本もチョーおススメです。

 

では、内容を短くまとめます。

「人生の9割はメンタルで決まる。強い心は、科学的に作り出すことができるんだ。自分のやりたいことで生きていくためには、理想の未来の自分で今を生きればいいんだ。」です。

 

人生の9割はメンタル、②人間の機能を科学的に攻略、③未来の自分を生きるの3本柱でご紹介していきます。

 

人生の9割はメンタル

セミナーなど何かに影響を受けて、自分を変えたいと思っても、1か月ほど経つと結局ほとんど変わっていないってことありませんか?これは、不思議なことではなく科学的に根拠があります。そこをご説明します。人間はもともと、リスクを冒して失敗したことをトラウマにしやすい生き物です。だから、今の現状を保つことは、リスクを冒すことより価値があると考えます。また、「せっかく〇〇したのにもったいない」と自分がかけたコストに対する利益が低くなるように考えることで、合理的な判断を放棄します。最後には、「今の自分が正しいのだ」と変化しない方がよいという証拠を集めます。この4段階の仕組みで、最初は変わろうと思っても、最終的には「今のままがいい」と変化しないことを選びます。だから、人間は簡単に変わることができないんです。例えば、告白(リスク)をしてふられる(失敗)ことがトラウマになり恋愛に奥手になったとします。「このままじゃだめだ」と思い、次の恋人を探しますが、「友達と遊んだほうが楽しい」と現状に価値を見出します。今が楽しいのに、ふられるリスクを冒すのはもったいないと感じ、「新しい恋人を探すより、今のままで十分だ」と自分を変えない根拠を作り、行動をやめてしまいます。これは、最初は恋人がほしい(変わる)と考えたにも関わらず、今のままがいい(変わらない)と決めたことになります。このように、人間は普通に生きていると現状維持を望む生き物です。

だから、今までの自分とは違う選択と行動をしなければ、人生は変わって生きません。今の自分に満足していなければ、行動と選択を変えないとダメなんです。そこで一番大切なのがメンタルです。メンタルを強くすることで、行動と選択を変え今の自分を脱却することができます。

 

人間の機能を科学的に攻略

①で説明した通り、変わろうとしても変われないのは、人間の生存本能だと分かれば、この本能を捻じ曲げる行動と選択をしないといけないことが理解できますよね。いつもと違う行動や選択をすることで、何を意識するかが変わります。意識が変われば、脳が察知する情報が変わってきます。これまでは、日常生活を送る中で見えていなかった情報を、脳が勝手に探すようになります。脳は、今の自分にふさわしい情報を勝手に集めてくれるので、今の自分のレベルを低く見積もってしまうと、レベルの低い情報しか集まりません。そこで大切のが「自己評価」です。いくらなりたい自分があっても、「そんなの自分には無理」という自己評価をしてしまうと、無理な情報を勝手に集めてしまうということです。

自分が実現したいこと(目標設定)によって、必要となる自己評価が変わってきます。例えば、年収1億円になるという目標設定にした場合は、気楽な仲間と会社の愚痴大会の飲み会に行くような自己評価ではなく、社長と知り合いになってチャンスをつかむという自己評価にしなければいけません。自己評価のレベルを現状より高くする必要があります。また、根本的に自己肯定感を上げて、「やればなんでもできる」というメンタルも必要になります。

 

未来の自分を生きる

②で説明したように、現状よりも高い自己評価をするとギャップが生まれます。自己評価がしっかりしていれば、脳はこのギャップを埋めるために必要な情報を集めます。未来の自分に合った自己評価をもつことができれば、現実が後から自然についてくることになります。

例として挙げられていたのがボクシングの金メダリスト村田諒太さんです。日本人は48年間ボクシングの金メダリストになれませんでした。日本人には無理だといわれていたミドル級というレベルの高いクラスで、村田選手は金メダリストになるという目標設定をしました。ただ、現状はそのレベルに至っていませんでした。そこで、「金メダルを取ることができました。ありがとう」と書いた紙を冷蔵庫に貼り、毎日見ることで自己評価を高め、金メダリストになった自分を想像して練習や生活をしました。「未来の自分で生きる」ことで意識と行動が変わり、本当に金メダリストになれたそうです。

ここで、自己評価をもう少し掘り下げていきます。自己評価とは、「自己肯定感」(どんな自分も好きという感覚)×「自己効力感」(自分の能力に対する評価)です。この2つには実績や裏付けは必要ありません。まずは、自分のことなので、他者からの評価や比較はせずに、ただただ「自分が好きだ。自分はできる」と思い込んでください。ここでも「そんなのできない」とは思わず、「それくらいできる」に意識を変えましょう。

まずは、目標にあった自己評価を作ることが肝心です。これに、全集中しましょう。それができれば、現状と自己評価のギャップを脳が嫌うようになります。脳は自己評価に追いついていない状態を命の危険だと感じ、生存本能から自然に自己評価に追いつこうと行動や選択を変えるようになります。この状態になれば、「変わらない」のは危険、「変わる」のが安全と普通の人間の思考とは真逆になります。この状態になれば、他人が努力だと思うことも、普通のこととなり、やっている本人は努力と感じなくなります。こうなれば、人生は思い通りになりますよね。

 

内容が濃く、理解しにくいところもあったと思います。理解できても、「自己評価をあげることができないんだよ」という人も多いと思います。わたしも、まだまだできていません。でも、自己評価を下げないでください。わたしは、いつかできるようになると思い込み、気長にやっていこうと思っています。

長くなりましたが、なるべく分かりやすく伝えたつもりです。ご参考になれば幸いです。では、次の本でお会いしましょう!!