本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

習慣超大全  ー BJ・フォッグ 著  須川綾子 訳 ー ③

同じシリーズの第3弾になります。ここでやっと半分が過ぎたあたりなので、第4弾を最終回にしようと思っています。少しずつ習慣を作るための核心に近づいている感じがあるので、読んでいてワクワクします。では今日も、結論なしの内容のみで紹介していきます。

① きっかけ

② 定着させる

③ 小を大に育てる

 

① きっかけ

人間が行動するときには、なにか「きっかけ」があるはずです。汚い話ですが、お腹に違和感を覚えないとトイレにはいかないように、必ずきっかけがあるにもかかわらず、ここに意識を向けるのは難しいんです。いくら高いモチベーションがあっても、きっかけがないと普通の人は行動しないんです。きっかけをうまくデザインできていなければただのパフォーマンスになり、習慣化するのは難しいです。付箋を机にペタペタはったり、目覚ましをセットしても、結局、付箋が増えるだけ、スヌーズにして起きれないなんてことになります。

きっかけには大きく分けて、①「人」②「状況」③「行為」の3種類です。

①「人」によるきっかけは、自分の中の感覚に頼ったものです。これは、忘れたりサボったりすることが多く、行動デザインとしてはうまくいかないことが多いです・

②「状況」によるきっかけは、付箋や携帯の通知、周りの人からの知らせなどです。仕事での付箋は、思い出すきっかけとなりますし、お湯を沸かしているのを忘れていてやかんが沸騰した音で気付くということはよくあるので、効果があります。ただ、付箋やアラームは慣れてしまうと無視をしたり、設定するための時間をロスしてしまったりするので、効率が悪いです。

③「行為」によるきっかけは、すでに多くある1日の日課に新たな習慣を紐づけて促す方法です。例えば、「朝起きたら歯磨きする」が習慣になっている人は、その後に鏡で笑顔を確認する。これなら、忘れることもなく毎日できる小さな習慣になるはずです。このように、無理なく確実に習慣化のきっかけになるのが「行為」です。

 

② 定着させる

きっかけを作って少しずつ習慣化したと思ったら、1週間で飽きてやらなくなった。なんて経験は皆さんにもあると思います。このように、M(モチベーション)A(能力)P(きっかけ)がそろっていて、できるはずなのに習慣化されないときに、人は落ち込みます。このネガティブな感情がさらに習慣化の妨げになり、負のループが生まれると、習慣化することへの興味もなくなってしまいます。

このようにならずに、習慣を定着させるのに一番大切なことは、成功したときの自分を認め満足感を感じることです。満足し心地よい気分になることは、脳に新しい習慣を定着させる要素です。

赤ちゃんがヨチヨチ歩きしただけで、家族みんなが拍手喝采になる。これは赤ちゃんにとって、タイミングよく祝福を受けているので、脳に快感が与えられすぐに歩くことができるようになります。これは、ドーパミンがドバドバ出ていて、脳はドーパミンが出ることは繰り返しやりたくなります。このように強いポジティブ感情があれば、短期間で習慣化できるようになります。習慣化をデザインする根本的な要素として、感情をデザインする、そして、その感情によってドーパミンを放出してさらにいい気分になるという正のスパイラルが生まれます。

習慣を定着させるためには、意識的に感情を作り出す必要があります。感情の中で最も効果的なのが「達成感」です。そして、達成したことを心から祝福します。タイミングも大事で達成した瞬間に祝福することで、またドーパミンが大量放出されます。これは、自分だけでなく、誰かの習慣化を手伝うときにも効果的です。例えば、子どもに歯を磨く習慣がないときは、モチベーションがないのでガミガミ言って歯を磨かせると出来なかったときに落ち込み負のスパイラルになってしまいます。しかし、たまたま歯を磨いているのに気付いたときに大きめのリアクションで祝福する。すると、次の日もやるようになり、また祝福する。「1週間続いたら、お祝いしよう」と言って、モチベーションを高めれば、1週間自分から歯を磨く。そして、約束通りお祝いする。こうなれば、正のスパイラルになって、楽しく習慣化させることができるはずです。

 

③ 小を大に育てる

ここでは、習慣がどのように成長し、増殖していくのかをお伝えします。「成長」とは今までは、腕立てふせを1日5回だったものを10回にするようなこと。「増殖」とは1つの習慣に紐づけながら、別の習慣を増やしていくことです。この2つに、共通することは、大きな成功をいきなり望むのではなく、小さくても成功の頻度を高めることです。小さな成功でも数多く経験すると、そのたびに満足感が得られ、ドーパミンが出ます。そうすると自信がつきモチベーションも上がっていくので、より困難な行動にもチャレンジしようとするモチベーションが生まれます。

なんでもいいから小さいことを習慣化するのではなくて、自分が変えたい部分から始めます。そのためには、常に自分に質問し分析することも大切になります。こうなると、習慣化や自分を変化させるスキルが手に入ります。5種類のスキルが紹介されていますがそのうち、気になった1つ「マインドセット」を紹介します。これは、「変化に対してどのように向き合うか」「自分の周りの世界をどう解釈するか」に関するスキルです。古い自己意識を新しい自己意識にかえます。これまで自分は運動が苦手なタイプと思い込んでいるとします。普通人はこの思い込みに沿って行動をします。しかし、2回だった腕立て伏せを5回、10回と増やすと同時に、自分は運動ができるという意識に変えていきます。こうなると、次はランニングもやってみようと新しい習慣の変化へと波及していきます。新しい自己意識を身に着ける方法として、関係のある情報を仕入れたり、SNSのプロフィールを変えたりするなど、自己洗脳するように仕向けていくような感じです。

行動を育てるには、まずスキルを身に着けなければいけません。だからこそ、本を読んで終わるのではなく、練習だと思って何か習慣化したいことを今から始めてください。

 

次が最終章になります。近々、更新したいと思います。

また次の投稿でお会いしましょう!!