本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

一流のプロ講師が実践している話し方 ー 加藤 恵美 著 ー

今回、紹介する本は、「話し方」の本です。なぜこの本を選んだかというと、近々大勢の人の前で話す機会をいただいたことと、教師は教え方以上に話す技術を学んだ方がいいと考えたからです。ということで、いつもの図書館で「話し方」をキーワード検索し、発見した本です。わたしのニーズにぴったりの本でした。これまで以上に話すことが重要になると言われているので、とても勉強になった本です。著者の加藤さんは、有名講師を含め、800人ほどのプロ講師をプロデュースされた方です。自称「話が上手な人の話を一番聞いた人間」と言われているように、話し方をかなり研究されているので、とても分かりやすい本でした。おススメです。では、さっそく、まとめから行きます。

 

「話し下手、あがり症の人でも大丈夫。話すときの考え方やポイントを学び、伝わる話し方を知れば、コミュニケーションも楽になる」です。

 

2つのことを中心に、お伝えします。

①話し方を意識すれば「結果」が変わる

②話し下手でも思いが伝わる準備と組み立て

 

①話し方を意識すれば「結果」が変わる

授業でもプレゼンでも一番大切なことは、何のために話すのかという目的です。例えば、死から生還した有名な講師の方が話す目的は、「人生一度きりであり、だから大切に生きなければいけない」だそうです。これは、自分の経験から使命感をもって話をされるので聞き手の心にしっかりと届くことになります。テクニックやコツも大切ですがまず、自分の伝えたい思いを明確にもつことが大切です。

話し手は、聞き手の性格を理解し相手に合わせた話し方をすることで、伝わり方が大きく違ってきます。自分の伝えたい思いをそのまま伝えても、相手のタイプに合わせて話を変えないと「ただの自慢話」「話が長い」と聞き入れてもらえなくなります。

本では、4つのタイプが紹介されています。

①イケイケタイプ・・・自己主張が強く、意見を押し通せるのでカリスマ性があり、行  動力や責任感もありますが、気が短く人への配慮が乏しい傾向があります。このタイプの人は、「目標・夢」などの言葉に強く惹かれます。

②ノリノリタイプ・・・社交的でよく話し、人間関係を広げて楽しく仕事をし、人脈を広げるのが得意ですが、飽きっぽく話がそれたりおおざっぱに話したりする傾向があります。このタイプは、理屈っぽい話が苦手で、褒められたり自分の話をしたりすることを好みます。

③コツコツタイプ・・・分析が好きで、意志が強く、一人で仕事をするのを好みますが、柔軟性にかけたり慎重すぎたりする傾向があります。このタイプは、データで根拠を示しながら話すと納得し理解し合えますが、効率が悪いことや感覚的に話されることを嫌います。

④ニコニコタイプ・・・口数は少ないものの人付き合いがよく優しく協力的ですが、人に気を使いすぎて判断力が鈍い傾向にあります。このタイプは、質問などで話しやすい場を作ってあげると興味が高まりますが、強引に話させようとすると警戒して距離を置かれてしまいます。

このように、特に一対一で話すときには、相手のタイプによって話し方を使い分ける必要があり、これができればコミュニケーションが円滑に進みます。また、タイプによってNGな言葉を使ってしますと、一気に信頼を失うことがあるので注意が必要です。

このタイプは、夫婦や職場でも生かせると思います。わたしはコツコツタイプ、妻はノリノリタイプで真逆なので、NGワードを使わないように意識しようと思います。

 

②話し下手でも思いが伝わる準備と組み立て

上手に話すにはセンスももちろん必要です。お笑い芸人など、人を引き付ける話し方をする人にあこがれますよね。でも、センスだけで成功している人は一握り、芸人でもネタ帳をもったりネタになりそうな場所に行ったりと事前に準備をしています。プロがするぐらいだから、私たち素人も準備がとても大切になります。ということは、どんなに話し下手な人でも準備のコツを知れば、上手に話せるようになります。

準備のポイント

①魅力ある情報を仕入れる・・・相手のことを知り、相手が求めていることを見つけることが大切です。ネットなどだれもが取れる情報ではなく、相手を喜ばせるための生の情報が必要です。相手のいる場所や周りの環境などを調べるために、足を運ぶなど手間をかけることが誠意として伝わり、信頼関係を築くことにもつながります。

②情報を基に雑談する・・・本題ではなく、雑談しているときに大切なことが決まるっていうことがあります。これは、気楽に話しているときの方が、話し手の人柄が伝わるからです。この時の印象を良くするために、相手がうれしくなる雑談をします。この雑談のときに、生の情報が役に立ち、地元の話や共感できる失敗話など相手のガードが緩くなるような話ができれば、いい人アピールをすることができます。

 

上手く話そうとすると話すことばかりに集中してしまい回りが見れなくなってしまいます。また、上手に話している自分に満足して、結局相手に伝わらないということもあります。だから、話は上手くなくても、うまく伝わるように話すことが大切です。そのためには、話の内容をしっかりと組み立てる必要があります。

組み立てのポイント

①5つの要素を意識する・・・「話の内容」「話す態度と声」「話の整理」「具体的に話す」「自慢話を抑え失敗談を笑いに変える」です。「話す態度と声」はかなり重要で、メラビアンの法則にあるように視覚(態度)55%、聴覚(声)38%と言われています。どんなにいい内容でも、93%が悪い印象なら、話を聞いてもらえません。

②クイズやワークを入れる・・・人はどんなに興味のある話でも、何時間も話を聞いているだけでは、集中力が切れたり、ボッーとしたりしてせっかくの話が伝わらないことがあります。そんなときには、アイスブレークのように面白い事例を使ったクイズを出して気分転換したり、聞き手同志でグループを作って話し合ったり意見交換したりするワークを入れることで、再度、話に興味を持たせることができます。

③聞く気を失うこと・・・話が脱線しすぎて、元の話が分からなくなること、言い方を変えてはいるものの伝えたい内容が繰り返されること、話と関係するものの相手が聞きたくない自慢話を気付かずにすることなどがあります。話し手と聞き手の温度感を感じ、会場の雰囲気を考えながら話の内容を臨機応変に変えることも大切になります。

 

今回は、本の内容からポイントになることをピックアップして、お伝えをしましたが、伝わったでしょうか。文章なので、話しているときとは違いますが、読み手に伝わるように内容や組み立てなどを工夫していきたいと思います。いつかは、文章の書き方の本もご紹介したいと思います。それでは、次の本でお会いしましょう!!