鏡の法則 ー 野口嘉則 ー

今日紹介する本は、現実に起こる出来事の捉え方を変え、全てを自分で解決することができる魔法の法則を教える本です。
今日のポイント
①鏡の法則
②鏡の法則の解説
①鏡の法則
物語風に鏡の法則を伝えている本なので、まずは、内容を要約します。
主婦の栄子は、息子の優太がいじめられている現状を変えたくて奔走します。しかし、現状はいっこうに良くなる気配はなく、一人で将来を憂いていました。息子の良さに気付かず、いじめをする相手を否定し、協力するべき夫のことも否定してしまいます。そんなとき、悩む妻を心配した夫からカウンセラーを紹介してもらいますが、夫のことを信頼していない栄子は、なかなか連絡を取ることができません。しかし、息子へのいじめがエスカレートする現状をどうにかしたいという一心で、カウンセラーに助けを求めます。
そこで、カウンセラーは、現状(結果)には必ず原因がある。その原因は、あなたの心にある。とアドバイスをします。そして、「息子が、友達から認めてもらえていないということは、あなたが大切な誰かのことを認めていない。そこが原因だ。」と説明を受けます。息子のいじめという現状を解決するために、まず、父親との関係を振り返ります。栄子は厳しく育てられ、様々な理不尽なふるまいをする父親の言動に納得がいかず、敵対していて疎遠になっていることに気付きます。これまでずっと攻めていた父親だけど、生活を支えてくれたり、優しくしてくれたりしていることを思い出します。そして、勇気を振り絞って、父親に感謝の言葉と謝罪の思いを伝えます。父親を素直に受け入れ、父親からもうれしい言葉をもらった栄子は、少し気持ちが楽になります。次に、夫との関係を振り返ります。栄子は大学を卒業しているが、高卒でトラックの運転手をしている夫のことを教養不足で、がさつな人だと思って大切にしていなかったことに気付きます。しかし、息子との関係がいいことや家族のことを思ってきつい仕事をがんばっていることを思い出します。そして、夫に感謝の気持ちを伝え、息子には夫の悪口を言っていたことを謝ります。夫の存在の大きさに気付くとともに、家族関係が息子に影響していたことを知り、息子のいじめの原因が自分にあったことを実感します。
物語では、その後、息子のいじめは収まりハッピーエンドになっています。
②鏡の法則の解説
私たちの人生の現実は、私たちの心の中を映し出す鏡だという考えが、鏡の法則です。だから、人生の問題を根本的に解決するには、自分の心の中の原因を解消する必要があります。問題解決のために、必死で現状の何かを変えたとしても、根本の自分の心が変わっていなければ、問題は深みにはまってしまいます。原因となっているあなたの心は、必ず何か許せないことを抱えています。「ゆるせない」と誰かを責めているときは、自分の心はやすらぎません。ゆるすことで体も心もリラックスできるようになります。それでも、どうしても許せないことがあったとします。その時に、「許せない自分を許さない」と考えてしまうと、自己否定することになり自分の心を変えることはできません。だから、まず、自分を許し自己受容をしてください。
人生で起こるどんな問題も大切なことを気付かせるために起こります。どんな問題でも自分には解決できる力があり、問題の解決を通してあなたに大切なことを伝えてくれていると捉えると、問題が自己成長のきっかけとなります。
今回のまとめ
鏡の法則は、聞き覚えのある人も多いかと思います。人間は自己正当化バイアスがあるため、最初に自分を振り返るのではなく、原因を環境や他の人に求めることが多いです。でも、自分の心にメスを入れずに、現状を変えようとしても現状は変わらず、ドツボにハマってしまいます。自分の心と素直に対話し、自分が見ないようにしてきた辛いことや自分が大切にしている信念など、全てのことを白紙にして、まっさらな心で自分を見つめ直すことが大切だと感じました。
夫婦のトリセツ ~ 黒川 伊保子 ~
グーグルでの研究の結果、組織内で結果を残しているチームに見られる特徴は、チーム内に心理的安全性があり、どんなことがあっても受け入れてもらえるという安心感が強いこと。しかし、夫婦は、この心理的安全性が確保されにくい組み合わせになっている。
女性脳は共感型だから、問題解決型の男性脳に状況を説明したり、経緯を話したりしているだけなのに、男性脳は、愚痴を言っている・話が長くて要点が分からないとイライラする。逆に、男性脳は問題解決型なので、共感型の女性脳が相手の話に合わせて会話をしているのに聞いてもらえないのでイライラする。お互いに、伝えたいことは同じでもすれ違っていて、いやな気持になって会話は途中で終わってしまう。
例えば、夫が妻に「何時に帰ってくるの?」と聞けば、夫が答えてほしいのは時間だけ。でも、妻は、「誰かと会って何かをしてからかえるから、ええっと〇時くらいかな」と答える。10秒で会話がを成立させたい夫に対して時間の前の話が1分を超えてくると、夫は待てずにイライラして結局、何時に帰るかを聞いていない。
共感型脳と問題解決型脳は、言葉は通じるけれど、話の内容は通じ合っていない。この問題を解決するには、相手を受け入れる(共感型にも問題解決型にも共感する)ことが大切である。
基本的な共感の仕方は、ポジティブな内容なら「いいね、よかったね」で受ける。ネガティブな内容なら「悲しい、寂しい」など、相手が発した言葉を反復することで成立する。いつでも使えるのが、「わかるよ。」なので、最後に「わかるよ」を付けるだけでも共感型になる。
女性にとっておしゃべりは娯楽。おしゃべりは、子どもを育てるための情報収集に不可欠。子どもが危なかった話を臨場感たっぷりに話せば、本人も他の女性もおしゃべりと情報交換を同時にできて大満足だし、安心感も生まれる。
男性は、沈黙によって狩りに出た時の緊張感を高め、生存可能性を上げてきた。おしゃべりをしていて警戒感を無くせば、いつ敵が襲ってくるかもしれないから安心できない。
男性脳では、おしゃべりをモスキート音だとして、排除することがある。だから、妻からお願いされてことでも、本題までに時間がかかれば、その時点で、モスキート音だと判定されて、大事なことを聞いていないことはよくある。このとき、言った言わないでもめたとしても解決することはない。男性は、いつも決まった時間に話し合う会議的な話は、集中して聞くことができる。だから、お互いに合う時間を見つけて、ミーティングタイムをとることをお勧めする。
女性は、家事を中心にマルチタスクをこなすことができる。この要因になっている言葉が「そういえば、、」。買い物のとき「そういえば、醬油もなかったわ」
と言って、家庭の在庫管理を行っている。しかし、女性は「そういえば」で思い出したことは、重要度が低くてもその時にしないと気が済まない。だから、出かける時間ギリギリになって「そういえば」と今しなくてもいいことを平気でしてしまう。これに対して、男性はイライラする。だから、女性は、「明日できることは今日はしない」と「そういえば」を封印することも大切。
幸福になるための人生のトリセツ ー 黒川 伊保子 ー

今回紹介する本は、人工知能の研究者として、人間の脳の研究をされ、脳の特徴を生かして、トリセツシリーズをたくさん出版されている方です。脳がもたらす人間関係の問題を解説されています。
今日のポイント
①子どもと大人、男と女の、脳の特徴
②男性脳・女性脳の活用法
①子どもと大人、男と女の、脳の特徴
12歳までの子ども脳は、感性記憶力の時代。五感と共に取り込んだ感性の記憶が脳にしまい込まれる時代。この時の脳は、体験によって脳神経回路が成長する。昼間の経験を眠っている間に整理するので、眠りの質が大切。12歳から14歳の間に大人脳に変わっていく。子ども脳は脳の収納効率が悪く記憶を引き出すのに時間がかかり、とっさの判断ができない。要領のいい脳は、これまでの記憶と今の経験を比較し、よく似た記憶を瞬時に引き出すことができる。大人脳に変わっている間に、脳はよく誤作動する。だから、思春期には、これまでと違う反応をしてしまう。
大人脳が完成した15歳から28歳までが、単純記憶力のピーク。この14年間は、脳にあらゆることを叩き込むチャンス。とにかくがむしゃらに生きる。くよくよしたりぐずぐずしたりする時間がもったいない。とにかく動いて入力装置に記憶をため込んでおく。
脳にとって最高のエクササイズは、失敗すること。私たちの脳は、失敗したことを脳神経回路に反映させて、次の失敗を防いでいる。失敗により感性を研ぎ澄ませれば、電気信号を通す回路を間違えないのでセンスのいい脳になっていく。
男女の脳は、機能が全く違う。男性脳は、狩りの時代が長かったせいで、自分を取り囲む全体的な空間を認知することに長けている。女性脳は、育児をする時代が長かったせいで、自分の身近なものの動きの変化への観察力が鋭い。脳の仕組みが違うから、ぶつかり合うのは当然。違う脳が一緒に家庭をもつのは、それぞれの良さを生かし生存可能性を最大限にするための仕組みだから、ぶつかり合う中で、相手を受容できるようになるのが最高の伴侶。
②男性脳・女性脳の活用法
男性と女性で会話のスタイルが全然違う。女性は、経緯から真理を切り出す脳で、話しているうちに、無意識で様々な気付きを生み、解決策が出てくる。女性の気付きを深めるためには、共感しながら話を聞くことが大切。男性は、ゴールから前倒しに考えて、問題解決を急ぎたがるので、共感している暇はない。女性は男性脳の特徴をうまく利用し、共感を求めるのではなく、男性を頼って問題解決のアドバイスを受ける。そうすれば、男性は流ちょうに話し始める。男性は、女性脳の回り道をしながらも必ず問題解決に向かう特徴をうまく利用し、気持ちよく女性に話してもらっている間に、自然と解決方法に近づくヒントを得ればいい。
男性にとって苦手な家事は、「名もなき家事」。これは、家に必要な物を想定し買い物のついでに購入したり、子どもの病院や習い事に効率的に通う計画を立てたりすること。炊事洗濯のような、分かりやすい家事であれば、男性でもイメージがわくが、男性に名もなき家事を説明してもイメージがわかない。名もなき家事を理解させるためには、教育が必要。やっているタイミングで何をしているか何のためにするのかを説明し、名もなき家事の重要性を実感させるしかない。
女性脳は、名もなき家事をする力があるだけに、マルチタスクに強い。男性はゴミ出しを、ごみを集めて持っていくだけだと考えているが、女性は、ごみを集める順番、集めたついでにできること、ごみを分別し出す日を逆算してごみの量を考えるなど、ごみ出しだけでも様々なマルチタスクを行っている。
感想
男性は自分の価値観を正しいと思い、女性もまた、自分の価値観が正しいと思う。お互いに自分が正しいと考えても、男女の脳の問題で、一生本当の正しさに出会うことはできず、分断が起こり喧嘩になるか最悪は離婚にまで発展してしまう。マウントをとる必要はなく、お互いの脳の特徴を理解し、お互いの違いを受け入れて、お互いの良さを引き出すことができる夫婦こそが最高の伴侶である。
ダイヤモンドセルフ~本当の自分の見つけ方~ ー佐藤康行ー

本日紹介する本の著者は、飲食店で成功を収めたものの、本当の幸せをつかむことができず、「心の学校」を中心に心の本質を伝える活動をされている「心のスペシャリスト」さんです。
今日のポイント
① 心がつくり出す世界 ~心の仕組み~
②真我(本当の自分)に出会う方法
① 心がつくり出す世界 ~心の仕組み~
あなたが抱えている悩みや課題は、たった一つのシンプルな法則で説明できる。それは「原因と結果の法則」だ。つまり、悩みや課題という結果には、必ず原因がある。その原因のほとんどが、心によって作り上げられている。例えば、強面の人が近くにきたら普通の人は、なるべく近づきたくないと思って行動する。それは、その人を自分の価値観(原因)で見ている行動(結果)である。でも、強面の人でもその人を良く知っていてやさしい人だと分かっていれば、近づくことができる。強面の人に出会うという現象は同じでも、その人への反応は価値観(原因)によって真逆になる。
自分の目の前で起こっている現象は、スクリーンに映し出されている映像のようなもので、映画のフィルムにあたるのが、私たちの心である。だから、映像を変えるためにスクリーンに何かをしたところで、フィルム(心)が変わっていなければ同じ映像しか映されない。そして、心は記憶でできている。ここでいう記憶とは、生まれてから今までの全ての現象や経験だけでなく、これまでの祖先から受け継がれているDNAに刻まれた記憶も含まれている。だからこそ、心を自由にコントロールしたくても簡単にはできない。
心をコントロールするためには、まず心の仕組みを知る必要がある。心は、大きく分けてプラス(愛)とマイナス(恐怖)の2つに分けられる。両方必要だが、もちろんプラス(愛)が多いほうが幸せに生きることができる。頭では分かっていても、プラス思考が定着しないのは、心の深いところに手を付けていないからである。
心の仕組みを3つに分けて説明すると、1つ目は、頭(観念)である。どんなにプラス思考で生きようと努力しても、ある程度まではできても完璧にはできない。頭にインプットする前に、すでに思っている心が邪魔をしているからである。2つ目は、業(潜在意識)である。業とは、普段は意識されないような膨大な記憶に刻み込まれている体験と似た体験をしたときにふと頭に湧き上がってくる感情で、その感情があなたの行動を決めている。だから、いくら頭で捻じ曲げようとしてもこの強い感情(業)に逆らうことができない。3つ目が、真我(本当の自分)である。真我とは、自分の内にあるもので、まだ気付くことができていないダイヤモンドの原石のようなもの。何一つ迷わず、常に感謝し喜んでいる完璧な心です。この真我に気付くことができれば全てのことが上手くいくようになります。
②真我(本当の自分)に出会う方法
真我とは、本当の自分がやりたいことであり、生まれてきた使命ということができる。今の自分が、仕事を愛し、生活に対しても何の不満もなければ、すでに真我に出会っているのかもしれない。しかし、「何をやってもうまくいかない」「仕事で結果は出ているが、プライベートがうまくいっていない」「不満はないが何かむなしい」などの気持ちがあれば、本当の自分とは、違う生き方をしているのかもしれない。例えば、チューリップとして生まれた花が、背の高いヒマワリになりたいと思ってもなることはできない。だからこそ、チューリップとして最高の花になろうとすれば、とてもきれいなチューリップの花をさかせることができる。同じように、あなたも本当の自分がチューリップなのかヒマワリなのかに気付かなければいけない。
本当の自分に気付くためのワークを紹介すると、自分の最後の日(お葬式)に最高の人生を生き切ったと想定する。そのときに、自分はだれのおかげで、最高の人生になったかを考える。あなたはこの人にどんなことをしてもらい、どんな感謝を伝えるか、心の底から考える。そうすることで、自分の人生の目的がはっきりし、本当の自分に出会うきっかけとなる。
「本当の自分」である真我の愛の心に出会うことができれば、自分を犠牲にして人に与えるだけの偽りの自分を演じることなく、周囲に喜びを振りまくことができる。灯台のように遠くは照らせても足元が暗いというのではなく、灯台(本当の自分)自身が光になれば、その光は、全体を照らすことができるようになる。そうすれば、自分が喜びでいっぱいになり、自分の近くの人も喜びでいっぱいになり、そこに一切の矛盾が無くなります。
わたしの感想
真我(本当の自分)にまだ達していないので、死んだとき誰にどのような言葉を掛けてもらいたいのか、悲しんでもらうだけでなくどんな感謝をしてもらえるかを考え、真我に少しでも近づいていきたいと思いました。
教師のための「ペップトーク」入門

今日、紹介する本は、愛知県の公立学校の教員をされていて、定年退職後、講演活動などをされている三森啓文先生のペップトークの本です。
ペップトークは、アメリカのプロスポーツ界で生まれた言葉で、試合直前の緊張状態の選手に向けて、監督やコーチが最高のパフォーマンスができるよう、選手に話す激励のショートスピーチのことです。
今日のポイント
①ペップトークの基礎知識
②ペップトークの作り方
①ペップトークの基礎知識
ペップトークは、ポジティブな言葉を基本として、相手の状況や精神状況を受け入れて、相手が望んでいることを話すことが大切です。昭和的な教育は、ペップトークと逆で教師が、一方的に自分の価値観でネガティブな言葉を威圧的に話していることが多かった。このような言葉は、造語ですが、プッペトークです。プッペトークを続けていると、相手との信頼関係はできず、結果は出たとしても、子どもたちの心は荒んでいきます。ペップトークは、「ポジティブな言葉で、相手の状況を受け止めて、ゴールに向かった短く分かりやすい言葉で、相手を勇気づける」ための技術です。しかし、技術だけでは、使い物になりません。相手を受け入れ、伝える相手との信頼関係がなくては、ペップトークを使っても、相手の心には響きません。
人は、誰もが他人から認められたいという欲求をもっています。相手との信頼関係を作るには、「根底に相手の存在を認めること、次に行動を認めること、最後に結果を認めること」の3段階で、相手を承認し自己肯定感を高める関わりが必要です。
②ペップトークの作り方
ペップトークは4つのステップで構成されています。ステップ1は受容(事実を受け入れる)、ステップ2は承認(捉え方の変換)、ステップ3は行動(してほしいことに変換)、ステップ4は激励(背中のひと押し)です。ステップを1つずつ説明します。
ステップ1では、どんな事実であってもすべてを前向きな気持ちで受け入れることです。遅刻をしたとした事実でも、すぐに否定するのではなく、何か理由があったのではないかと考えて、事実の裏側を聞き取りながら、すべてを受け入れます。
ステップ2では、事実がたとえネガティブなことであっても、ポジティブな言葉に変換します。例えば、けがをして自分だけ同じ練習ができないというネガティブな事実でも、いつもはできなくてけがをしているからこそできるトレーニングに取り組むなどです。人は、できないところに目が向くようになっています。だからこそ、意識的に完璧でなくても、できているところに目を向けるようにすることが大切です。
ステップ3では、否定語を使わず、してほしいことを肯定的に伝えて、行動を導きます。例えば、してほしい行動は廊下を歩いてほしいだとします。否定的に「廊下を走るな」というと、脳は否定語を認識できないので「廊下を走れ」といわれているようにとらえてしまいます。なので、「ゆっくり歩こう」と伝えることで、正しい行動に導くことができるようになります。
ステップ4では、一歩前に踏み出すための激励の背中のひと押しです。「よしやろう」と相手に思わせる短いひと声です。このときに気を付けないといけないことは、「結果」を求めすぎて、相手にプレッシャーを与えないことです。「結果」にいたるまでの「過程」に対して、声を掛けることが大切です。
ペップトークを使い、良い行動や思いやりのある気持ち、できるようになった結果など変化に気づきタイミングよく褒めることで、子どもたちは自信をもてるようになり、自己肯定感が高まります。
教育について工藤勇一先生に聞いてみた
今回紹介する本は、公立中学校で革命的校長として、メディアに紹介され、今では中高一貫の私立学校で校長を務めている工藤勇一先生の本です。
〇

今日のポイント
⓵教育に大切なこと
②これからの、子どもが伸びる教育
⓵教育に大切なこと
世界中の教育機関がまとめた、これからの教育目標が「個人及び社会のウェルビーイング」です。「個人」と「社会」を両立させるためには、対話やコラボレーション、違いを認め、共通のゴールを見出し、お互いに歩み寄る能力が大切になります。
日本では、未だに勉強の目的が知識を身に付け受験に成功し、良い大学に入り良い会社で勤めることに設定されていることが多く、勉強は自分のためにするものというイメージが根強いです。確かにそれも必要ですが、勉強の根っこにある目的は、自分の将来の選択肢を増やし、自分の力を社会のために働かせることです。
今の学校教育のやり方では、子どもが自己決定する機会が少なく、大人になって上手くいかないことがあると自分の行動を振り返るのではなく、人のせいばかりにする大人を増やすことになってしまいます。
これは家庭での教育も同じです。小さな時から、トラブルを親が解決したり、親の思いで習い事をさせたりすることで、自分で決められない子どもに育ってしまいます。また、この状況で、子どもに過度な期待をして、そこに達していないことを否定してしまい、子どもの自己肯定感を下げてしまっています。
子どもたちは幼児期から友達と仲よくすること、協調性をもつことを先生から教わります。しかし、これが、必要以上に場の空気を読むことにつながり、個性を発揮しづらくしています。また、個性を出すことをわがままと捉え、強制されることも多いです。もちろん、人に迷惑を掛ける行為については指導が必要ですが、違いを認め合い協同して学ぶ力の方が大人になってから必要な力であることは間違いありません。
②これからの、子どもが伸びる教育
これからの社会は、インターネット検索やAIなどで、すぐに答えを調べられるので暗記をして知識を増やすことは重要視されなくなります。その代わりに、答えなき問題への答えを見つける創造性が大切になります。そこで求められる教育が、「子どもの主体性を伸ばすこと」と「社会の担い手として当事者であるという意識を育むこと」です。子どもが自分で考え行動できる自律した大人に育ってもらうことが、最優先事項になります。
このためには、学校や家庭で自己決定する機会を増やし、失敗を恐れずに自己決定したことに自信をもってやりきる力をつけることです。「失敗してもいいんだ」「自分のペースでいいんだ」という心理的安全性を感じられる環境を整え、子どもたちに問いかけることが自己決定を促します。
先生や親が、子どもたちに教えるのではなく、子どもたちに問いかけることで自己決定する力が伸びます。まず、子どもに寄り添って「どうしたの?」と問うことで子どもの事情を聞き出します。また、子どもの話や行動を否定せずに受け入れることで、子どもは心理的安全性を感じ、主体的に考えようとします。次に、「どうしたいの?」と問うことで、方法を自己決定しようとします。最初は、方法を考えられないこともあるので、答えを教えるのではなく、選択肢を与えていくつかの中から自己決定させるなど、小さいことを繰り返し、大きな自己決定ができるように少しずつ行っていきます。最後に、「何か手伝うことはある?」と問いかけることで、心理的安全性を保てるようフォローをします。フォローがあったとしても、自己決定したことが良かったという成功体験を積み上げていきます。こうすることで、子どもは主体的に自己決定したいという思いをもつことができるようになります。
〇わたしの感想
子どもを型にはめる昭和型の教育ではなく、子どもの意志で主体的に自己決定できることをサポートする姿勢がとても重要だと感じました。
「主体的・対話的で深い学び」を実現する 社会科授業づくり ー北 俊夫ー
今日紹介する本は、がっつり先生向けの専門書になります。
著者は、小学校の教員をして東京で教鞭をふるい、文科省の調査官、大学教授を経て、今は学校教育アドバイザーとして活躍されているようです。本書のほかにも、10冊ほど出版されています。
今回も2つに絞ってなるべく短く紹介したいと思います。
①学校教育の役割とは
②「主体的・対話的で深い学び」とは
では、さっそくを①学校教育の役割とはを紹介します。
まず、学校教育の役割は、教育基本法で明確にされています。「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」です。公立学校には、さまざまな環境で育ち、個性の違う子どもたちが集まってきます。様々な違いがある他者を価値ある存在だと尊重して、そのような人たちと協働しながら社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会を築いていくための、準備段階として義務教育で学校に通うことになっています。
学校は地域と子どもをつなげる場でもあります。近年は、地域の素材を総合的な学習で教材化したり、地域の人材や専門家などの様々な人と関わる機会を学習に取り入れたりしています。子どもたちが社会に出るまで、義務教育は9年、大学まで行ったとしても16年ほどです。その短い期間に、子どもたちが自分の力を実感し、将来に希望がもてるような教育をしていく必要があります。
私たちが子どものときと比べて、予測不能で生きづらい未来になると言われています。例えば、AIなど新しいテクノロジジーとの関わり、選挙権が18歳に引き下げなどです。ということは、教育も時代に合わせて新しく変化をしていかなければいけません。そんなときに、必要な力が「主体的・対話的で深い学び」です。この力を標準装備して荒波の社会でも適用できる人材を育成することが今の学校教育にはとても重要です。
②「主体的・対話的で深い学び」とは
学びとは本来、必要性を感じ何かの目的のために自ら行う行為です。そのため、個別に課題をもって取り組めば、義務を課したり強制したりする必要はないはずです。しかし、経験の少ない子どもたちは、何を課題にして学べばよいか分からず、主体的に学ぶ意欲はわかず何もせずに終わってしまいます。そうなると自立した人間にはなれません。そこで、ある程度マニュアルに沿った学校教育が行われています。そう考えると、子どもたちが大人の支援なしで主体的に学ぶのは難しい状況です。しかし、本来の学びにつなげるためには、学校で「主体的な学び」の学び方を経験する必要があります。
「主体的な学び」とは、子どもたちがさまざまな学習活動に取り組んだり、また考えたり理解したりするとき、その主体となって対象に働きかけて学びを展開していくことです。主体的に学ぶ子どもの姿は、「一人一人が教師の指導のもとに、自らの問題意識や目的意識を明確にもっている」、「問題解決のために何をどのようにして追求、解決していくのか学習の見通しをもっている」、「追求した結果をもとに、自分の意見を決定し、自己を豊かに表現している」などがあげられます。学校でこのような力を身に付け、人生を豊かにするための生涯学習につなげることが大切です。
「対話的な学び」は、3つに分けることができます。1つ目は、さまざまな特質をもつ同年齢の学級の仲間と関わりながら、意見を言ったり質問したり答えたりして、直接的な対話を行います。2つ目は、教材に登場する主人公や先人などの行動に対して、客観的な事実やデータに基づき自分の考えをもち、その人物と対話的に学びます。3つ目は、学びに対して自問自答しながら、自らの学びを振り返り自分自身と対話することです。特に1つ目は、友達との「協働的な学び」とも表現することができ、この学びを通して、自分の考えや理解を深めるだけではなく、思いやり助け合いの心も育ち、人間関係を深める技術を高めることができます。
「深い学び」は、学習を始めるときの考えが、学習を通してどのように変化し、理解や関心が高まっているかが大切になります。「主体的・対話的な学び」を適切に活用することで、「深い学び」が実現します。しかし、教師が「主体的な学び」を勘違いし、子どもの自主性を重んじるがゆえに、課題から離れているにもかかわらず指導に躊躇するとただの放任になってしまいます。また、「対話的な学び」を勘違いし、課題に対して様々な角度から意見を出し合うのではなく、1つの見方を繰り返し話し合ったり違う話題に飛び火したりしたときに適切な指導ができないことも問題となります。こう考えると、深い学びにするためには、教師がゴールや方法を明確にし、「主体的・対話的な学び」をどのように活用するかがポイントとなります。やはり、プロ教師として技術を磨く必要があります。
今回は、先生にとって大切なことを再確認し、未来に希望をもてるようこどもたちを教育していきたいという気持ちを高めることができました。まさに自主的な学びにより、考えを深まることができました。やはり、大人になってからの学びは大切だし楽しいことだと実感することができました。
それではまた、次の本でお会いしましょう!!