本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

知ってるつもりのコーチング ー苦手意識がなくなる前向きな生徒指導ー  原田かおる 著

「みなさん 日々の生徒指導はうまくいっていますか?」という問い掛けから始まる本。教師であるわたしは、ちょっと興味がわきます。そして、「子どものことを思って叱ったり注意を促したりしても、無視されたり反発されたり毎日が奮闘の連続ですよね」と教師の立場に共感してくれます。さらに読みたくなってしまいます。そんな教師の悩みを解決してくれる方法としてコーチングが紹介されています。コーチングについて勉強したわたしとしては、“もう読むしかない”となりました。 
 

では、わたしなりにこの本をまとめてみると、
「教師の無意識な上から目線の指導を改め、コーチングを使って子どもの自立を後押し支援する」です。


「教師は指導者なんだから上から目線の何が悪い!」「教師の威厳を保つためあえて上の立場から話をするんだ」なんて昭和のなごりが抜けていない先生こそ一度読んでみてください。「コーチングってよく聞くけどスポーツのコーチだって上から目線だろ」とコーチングとコーチを同意語だと思っている人も注意です。スポーツは基本的に自主的に参加した師弟関係ですが、教師は子どもたちから選ばれたわけではなく、ガチャガチャのように回したら勝手に出てきた存在です。公立学校は、半強制的に学校に行かされている子どもだっています。無理やりおもちゃ売り場に連れていかれて、誰かに手をもってガチャガチャを回させられて出てきたのが「うんこのキーホルダー」だとしても、返品できないんです。担任が決まれば1年間は変えることができないんです。もちろん、『「欲しかったニンテンドースイッチ」が出てきた』なんて当たりの担任もいますよ。


話を本に戻します。この本では、コーチングとは「子どもに問い掛け、それに対して子どもが自ら考え、解を見つけ出していく、解決思考的なアプローチ」と書かれています。そうなんです。「子どもが考えるように問い掛ける指導」と「上から目線の指導」は対義語なんです。後者は、無理やり教師の考えを押し付けられる可能性が高く、前者は、問い掛けという先生からのヒントを基に「自分で考える」そして、自分の納得解を見付け行動にうつすところまでもっていける可能性が高いんです。
 

専門的なことや詳しいやり方は、本をしっかり読んでいただければすごく分かりやすく説明されています。興味のある方は一度手に取ってみてください。
参考にしていただけると、とてもうれしいです。それでは、また次の本で!!