本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

勉強したがる子が育つ「安藤学級」の教え方

かなり久々の投稿になります。今日、ご紹介する本は、教師に特化した本ですが、子育て中の親御さんでも、子どもへの対応の仕方や声の掛け方などが学べる一冊です。

まず、著者の紹介です。北海道で長年、小学校教師をし、多くの研究授業を公開されている、授業のスペシャリストさんです。今は、大学でこれからの教師の育成をされているようです。教師としての経験から、「子どもがやる気になる仕掛け」が紹介されています。たくさんあったので、わたしはできることからスモールステップでまねしていこうと思っています。では、紹介に移ります。

①子どもはみんな勉強が好きになりたい

②「褒める・叱る・やる気を引き出す」コツ

 

①子どもはみんな勉強が好きになりたい

子どもは、先生の話を一方的に聞く授業をたくさん受けることで勉強嫌いになります。だから、授業では、子どもたちがたくさん話し、友達の考えをしっかり聞き、大切なことを書くという力が重要です。「話す・聞く・書く」力が、将来、仕事をするにあたってとても大切なコミュニケーション能力を高めることにつながります。しかし、子どもたちはなかなか自分の考えを発表してくれません。発表できない理由は次の4つです。①間違ったらはずかしい、②人と同じ答えになってしまう、③長く話せない、④話すタイミングがつかめない、これを解消することが教師にとって大切です。

①「間違ったら恥ずかしい」

これは周りから否定されたり冷やかされたりしないという人間関係を作り、仲間を信頼することが不可欠です。学級が始まって1か月でこの雰囲気を作るために教師が、子どもを否定しないようにしないといけません。

②「人と同じ答えになってしまう」

これは語彙が少ないことが原因です。ゲームをしながら感情の言葉などを増やしていきます。すると、同じ答えでも言い換えができるようになり答えが無限に広がります。

③「長く話せない」

これは、話し方の型を教える必要があります。主語、述語、飾り言葉、擬音語などを入れて、自分の考えを伝えられるようにし、伝えること伝わることの楽しさを実感させることが大切です。話せるようになると、身振り手振りなどを入れて説得力のある話し方を教えます。すると、子どもたちは、相手に伝わる楽しさを知り、自分から話すようになります。

④「話すタイミングがつかめない」

これは親や教師が待てずに、子どもの答えを聞かないうちに次の質問をしてしまうことが原因です。すぐに答えが考えられる頭のいい子どもばかりではありませんし、大人ほどすぐに言葉がでないのが普通です。そんな時は、子どもが十分に考えるための間をもたせ、それでも答えが出ないときには「どうかな」など合いの手を入れることが大切です。せっかく子どもが考えているのに大人が待てずに、答えを言ってしまうことが多いです。これは、子どもに「考えなくてもいいよ」とサインを出しているのと一緒なので、これを続けていると子供たちは考えることをあきらめ、結局「勉強が楽しくない」となってしまいます。

②「褒める・叱る・やる気を引き出す」コツ

子どもたちは、自分たちで話し合い課題を解決したとき喜びを感じます。その喜びが自信につながります。自信を持たせるために必要なことが「褒めること」です。これは、タイミングがとても大切です。子どもができるようになった瞬間やできるようになろうと頑張っているときに大げさなくらいに褒めます。子どもの力は公平ではなく、得意不得意があります。教師はこれを子どもの持ち点だと考え、持ち点が低い子が頑張った瞬間を見逃さずに、褒めることが大切です。このような苦手を克服しようとしている努力はみんなの前で、大げさに褒めます。また、高学年になるほど、直接褒めると恥ずかしさから素直に受け取れないことがあるので、友達や親伝えに間接的に褒めてもらえるような根回しをすることも大切です。

いけないことを叱るときは、短く・その場で・一度きり、本気で伝えます。これ以外は、子どもにネガティブな影響が強く、関係を壊したり、せっかく伝えたのに理解納得できず同じことを繰り返し指導しないといけなくなります。

やる気を引き出すためには、モチベーション(動機付け)を高める仕掛けをすることが大切です。テスト前には、どんな問題が出るか何を勉強すればよいかを伝え、努力と結果がつながるようにしておきます。また、自分でがんばることを決め、難しいことではなくても頑張れたことに焦点をあててフィードバックします。子どもは、自分の小さな頑張りには気づかないことが多いので、小さなことからコツコツと努力することの大切さを伝えます。

 

今回ご紹介したように、無気力になってしまっている子どもたちは、頑張ろうと思っていた時に、適切な支援を受けることができずに、あきらめてしまっていることが多いです。今は無気力でも、適切な支援をし、頑張りを認め、仲間とともに課題を解決するという経験をつめば大丈夫です。わたしも、無気力な子どもにやる気を出させることをあきらめかけていましたが、がんばろうと思いました。

では次の本で、お会いしましょう!!