本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉 ー 和田秀樹 著 ー

今回紹介する本は、頭にアドラーとあり興味が湧きました。また、著名人でもある和田秀樹さんが著者ということもあり、「これは読んでおかない」と中身はあまり確認せず手に取ってしまいました。ただ、私のブログでは初となりますが、個人的には考え方が違い、あまりおススメできない本でした。たまには、このような本も自分の視野を広げるため、さらに、読者の人にはフィットするかもしれないという思いから、ご紹介していきたいと思います。飛ばし読みもしたので、深い内容ではないかもしれませんが、興味がある方はお付き合いください。

 

まず、アドラーさんと和田さんの簡単な紹介から行きます。

アドラーさんは、数年前に「嫌われる勇気」がベストセラーになり、有名な方です(かなり前にお亡くなりになっていますが)。私が、ちょうど心理学にハマりだしたころなので、いろんな本を読み、感銘を受けた方です。

和田さんは、よくコメンテーターとしてメディアに出演し、かなり有名な方でしたが、著書を読むのは今回が初めてです。メディアでの温和なイメージと違い、本の中からはプライドの高さとエリート志向が読み取れました。ここに、私は違和感を感じたので、ちょっとテンションが下がりました。

 

気分を変え、さっそくまとめから入ります。

「子どもの学力を左右するのは、親の言葉掛け!人生の目的を意識した勇気付けで子どもの学力を高めよう」です。

 

この本は、メンタル的なことより、終始学力に関することが書かれていました。それを象徴し、何度も登場する言葉が「東大」でした。わたしは、もちろんそんな大学にいけませんし考えたこともなかったので、「東大」最高という目線で書かれた内容に少し嫌気がさしました(やっかみではなく!)。

 

本の内容を①アドラー的な視点、②和田秀樹的な視点の2つに絞って、紹介していきます。

 

アドラー的な視点

「人は誰しも、他人と競争して勝ちたいという欲求を持っている」だから、何かで負けて劣等感をもつのは仕方がない。親の役割は、劣等感をトラウマにしないように結果だけでなく、子ども自体の存在を認め勇気づけすること。褒めたり叱ったりして、親が子どもより上の立場で対応しない。同じ立場で、子どもの反応に関心をもち受け入れる。

という感じで、まず、基本的な親の心構えが書かれています。これらについては、私もすごく共感できると思いながら読んでいました。

アドラー心理学の最大の特徴は「人は何か原因によって行動するのではなく、目的に向けて行動する」です。そして、「子どもはもともと誰でも成長願望をもっている」ことを前提に行動を観察すると、目的に向かってやる気がないのではなく、やり方が分からず困っているだけだと考えることができるようになります。だからこそ、そこで親は、否定的なことや求められていないアドバイスをするのではなく、子どもの存在自体をそのまま認め、勇気づけする言葉掛けが大切になると書かれていました。

親はまず、子どもがなるべく劣等感をもたないように支援をしていくことが大切です。でも、誰かと比べたり負けてしまって劣等感をもつことも必要だと書かれています。そんなときに、劣等感の原因を深掘りしてしまうとさらに劣等感が増大してしまいます。ここで親が子どものためにとるべき行動は、劣等感は目的に向かっている証拠だと考え、「劣等感をもつことは悪いことじゃない」と伝えます。そして、目的を達成するためにこれから、どうすればよいかを未来に向けて一緒に考えます。このときに、できるようになった結果を褒めてはいけません。結果だけを褒めると、子どもの目的が結果を出すことに変わり、結果が出ないことにまた劣等感を増大させます。子どもの目的に対して、親が関心をもち、そこへのプロセスでがんばっていることに共感することが大切です。こうすることで、子どもは勇気をもって劣等感に立ち向かうことができるようになります。

 

和田秀樹的な視点

和田さんは子どものころ、母親から「勉強はだれのためにするの?勉強することはどうして大切なの?」と、勉強しなさいではなく、勉強をすることで大人になってからどんな良いことがあるかを考えさせられていたようです。そして、母親は、「子どもが勉強できること」について、立場によって課題を分離していたようです。「子どもが勉強ができる」は、子どもにとっての課題ですよね。勉強ができなくても親は、それに対して必要以上の責任を負うことはできません(受験をするお母さんはいい学校に入れることをステータスだと思って、必要以上に責任を感じている人も多いですが・・・)。でも、勉強できないと大人になってから、やりたい職業につけないなど、子どもはそれに対して責任を負うことになります。和田さんは、子どものころ母親から、このことを教わったようです。なので、「勉強しないことは自分にとってよくない。自分の未来を明るくするために勉強をしよう」と、東大合格に向けて、勉強に取り組んだようです。こうなれば、「東大合格」が自分の目的となりその道に向かっていけるようになるそうです。

ここで、親がすることは、勉強しなさいとおしりをたたいてやる気をなくさせるのではなく、未来の目的をイメージできるようにし、そこに向けた努力を認め、絶対目標を達成できるという勇気づけをすることだと言えます。

ただ、和田さんはこの時の「東大」への思いが強く、何かにつけて東大を意識した文章を書かれています。そこから、エリート意識が見えました。

さらに、勉強はできたものの運動は得意ではなく、いじめにあった経験もあるようで、そこは、大人になっても取れないトラウマになっていると感じました。そこでの、劣等感により、学力で人には負けたくないという思いの強さが感じられ、高学歴特有のプライドの高さも感じました。この辺りを、もう少し深堀したい気持ちもありますが、和田さんのイメージダウンになりそうなので、やめておきます。

 

今回は、「おススメでない本の紹介」といういつもとは違う投稿となりました。自分なりに新しいことに挑戦してみましたが、やはり違和感がありまくりで、書く内容をぜんぜんうまくまとめられませんでした。

この反省は、次回以降の投稿に役立てていきます。

次は、おススメ本を紹介しますので、また次の本でお会いしましょう!!