本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

習慣超大全 ー B・Jフォッグ 著 須川綾子 訳 ー ④

今回は「習慣超大全」の4回目であり、500ページを超える分厚い本の最終回になります。ちなみに、1~3回目までは、目次のチャプターごとに紹介してきたので、今回もチャプター通り、3つに分けて紹介します。そして、最後のチャプターが結論になります。いつもなら結論(まとめ)を先に伝えますが、今回は最後になりますので、①~④をすべて読んでもらえると、結論がすっーと入ると思います。それでは、最後、気合いを入れて書いていきます。

 

① 悪習をやめる

② 一緒に変わる

③ 結論

 

① 悪習をやめる

これまでは、どうすれば、良い習慣を身に着けられるかを紹介してきましたが、今回はそれの真逆である悪い習慣をやめる方法です。良くても悪くても「習慣」は同じなので身につく方法や順番は同じです。なので、これまでの、身に着ける方法のどこかを遮断するイメージで読んでください。

例えば、ダイエット中なのに甘いものがやめられないとしましょう。意識(モチベーション)だけでは、よほど意識高い系しかこれでの改善は難しい。なぜなら、甘いものをやめるという行動には、様々な心理が絡まっていて、一つ一つほどかないと結局やめられない。そして、やめれない自分を自己嫌悪して、モチベーションが下がるという悪循環に陥るからだ。だから、結び目を分析し、一番やめやすい、「甘いものを近くに置かない」からやめる(結び目をほどく)ようにしていく。そして、「冷蔵庫に保管しない」。最後には、「甘いものを買わない」というように、段階的にできることからする。こうすれば、「甘いものを食べる」というきっかけを失うことになり、悪い習慣を断ち切ることができる。

 

② 一緒に変わる

これは、家庭での子育てにとても役に立つと思います。最終目標である「子どもにできるようになってほしいこと」を分析して、一番やりやすいものから始めていきます。それができたら「すごい、すばらしい」と行動を認め、一緒に喜びます。こうすることで、子どもは小さなことでも達成感を感じることができます。お父さん、お母さんが一緒に喜んで子どもが笑顔になれば、ドーパミンが出ている証拠です。そうすれば、子どもは嬉しさから自ら次の良い行動をすることがあります。そうすれば、すかさず一緒に喜んで認めます。そして、次は、新しいことを親子でやりながら方法を教えます。これを続けて、一人でできるようになれば、目標達成になります。

例えば、最終目標が「皿洗いをする」だとします。まず、子どもが食べ終わった食器をシンクに置いてくれるようにお願いします。やってくれたら行動を認めて喜びます。次に、食器をシンクの中に入れ水に浸すようにお願いします。これもできたら、一緒に喜びます。最後は、一緒に皿洗いをします。洗剤の使い方や洗い方を教えながら楽しく洗います。ちょっとの失敗や泡で遊ぶことで叱ってしまうとこれまでの、頑張りが水の泡になるので、広い気持ちで一緒にやります。これを繰り返すと、ドーパミンの働きで一人で皿洗いができるようになります。

組織やコミュニティーでも、「一緒に変わる」は効果的です。グループの行動デザインを変えていく人は、一人でも大丈夫。それを自分自身でできるようになる方法が書かれています。ここで格言として書かれていることが「相手がしたいと思っていることをできるように助ける」です。相手が変わるためには、まず、自分が変わる。助けることで自信がつき、一緒にスキルを磨くことで別の変化にも心を開くようになります。自分の行動は常に他者に影響を与えています。だからこそ、他者に与える影響を深く意識しながら、彼らを支援する最善方法を考え実践していくのが一番の倫理的アプローチになります。他者が少しでも変化したことを見付けたら、その行為を認め達成感を実感させることで、ドーパミンがドバドバ出て、自分から行動変化を起こせる人に成長させていきます。

グループで変化する7つのステップを簡単に紹介します。

①一緒に願望を明確にする・・・グループのタイプを見極め、依存的なら自分がリーダーシップを取り願望を決める。個性的なら質問しながら願望を整理していく。

②一緒に行動の選択肢を挙げる・・・話し合いの場をもち、ファシリテートする。

③グループにあった行動を選ぶ・・・挙がった選択肢をモチベーションと能力に分けて、座標軸などを使って見える化する。一番やりやすい小さなことから始める。

④黄金の行動を簡単にして小さく始める・・・決めた行動にどんな障害があるのか、原因は何なのかをリストアップする。

⑤効果的なきっかけを見付ける・・・私のレシピ(〇〇をしたら、△△する。できたら喜ぶ。)を作る。

⑥祝福する・・・「感情が習慣を生む」ことを伝え、できたことを積極的に喜ぶ。改善点があるときは、前向きなフィードバックをする。成果に気付いてないときは、感情を確認し整理し、成功の意味を再定義する。そして、常に励まし元気づける。

⑦一緒にトラブルシューティングし、反復する・・・行動をデザインするが1回でしっくりくることは少ない。途中で軌道修正し、デザインを改善したり問題点を見付けたりする。このとき、自分の意見を押しるけるのではなく、相手がしたいと思っている改善法を見付け手伝うようにすることが大切。

 

③ 結論

この本の冒頭に「変化は簡単に起こせる。小さいことは強大だ。」と書かれています。これがタイニーハビット(小さな習慣)を意味しています。まず最初に、自分がタイニーハビットの成功者になることが大切です。1つ2つ3つと良い習慣が増えていくと、自己意識が変わり、大切な人に影響を与え、さらに周囲に波及していき、他者の考え方に影響を与えることができます。

タイニーハビットの成功者になればそれを身近な人に伝えましょう。伝えるときに意識することは「相手がしたいと思っていることができるように助ける」「相手に達成感を実感させる」です。そして、できたことを一緒に喜び、祝福の方法を教えましょう。こうすれば、ポジティブな変化が起こる文化がグループに根付きます。

そして、みんなが幸福感を感じ、積極的に自分の変化を楽しむことができるようになります。そして、周りのみんなが成長していることをお互いに感謝し合いましょう。

 

最後に私の感想をお伝えします。赤の太文字で書いた、2つの格言は私の人生に大きな影響を与えると思います。教師であるわたしが、子どもたちにこの思いで関われば、子どもたちの幸せを作る手伝いができると思います。

素晴らしい本に出会えたことに感謝して、長かったシリーズを終わりにしたいと思います。それでは、また、次の本でお会いしましょう。

 

習慣超大全  ー BJ・フォッグ 著  須川綾子 訳 ー ③

同じシリーズの第3弾になります。ここでやっと半分が過ぎたあたりなので、第4弾を最終回にしようと思っています。少しずつ習慣を作るための核心に近づいている感じがあるので、読んでいてワクワクします。では今日も、結論なしの内容のみで紹介していきます。

① きっかけ

② 定着させる

③ 小を大に育てる

 

① きっかけ

人間が行動するときには、なにか「きっかけ」があるはずです。汚い話ですが、お腹に違和感を覚えないとトイレにはいかないように、必ずきっかけがあるにもかかわらず、ここに意識を向けるのは難しいんです。いくら高いモチベーションがあっても、きっかけがないと普通の人は行動しないんです。きっかけをうまくデザインできていなければただのパフォーマンスになり、習慣化するのは難しいです。付箋を机にペタペタはったり、目覚ましをセットしても、結局、付箋が増えるだけ、スヌーズにして起きれないなんてことになります。

きっかけには大きく分けて、①「人」②「状況」③「行為」の3種類です。

①「人」によるきっかけは、自分の中の感覚に頼ったものです。これは、忘れたりサボったりすることが多く、行動デザインとしてはうまくいかないことが多いです・

②「状況」によるきっかけは、付箋や携帯の通知、周りの人からの知らせなどです。仕事での付箋は、思い出すきっかけとなりますし、お湯を沸かしているのを忘れていてやかんが沸騰した音で気付くということはよくあるので、効果があります。ただ、付箋やアラームは慣れてしまうと無視をしたり、設定するための時間をロスしてしまったりするので、効率が悪いです。

③「行為」によるきっかけは、すでに多くある1日の日課に新たな習慣を紐づけて促す方法です。例えば、「朝起きたら歯磨きする」が習慣になっている人は、その後に鏡で笑顔を確認する。これなら、忘れることもなく毎日できる小さな習慣になるはずです。このように、無理なく確実に習慣化のきっかけになるのが「行為」です。

 

② 定着させる

きっかけを作って少しずつ習慣化したと思ったら、1週間で飽きてやらなくなった。なんて経験は皆さんにもあると思います。このように、M(モチベーション)A(能力)P(きっかけ)がそろっていて、できるはずなのに習慣化されないときに、人は落ち込みます。このネガティブな感情がさらに習慣化の妨げになり、負のループが生まれると、習慣化することへの興味もなくなってしまいます。

このようにならずに、習慣を定着させるのに一番大切なことは、成功したときの自分を認め満足感を感じることです。満足し心地よい気分になることは、脳に新しい習慣を定着させる要素です。

赤ちゃんがヨチヨチ歩きしただけで、家族みんなが拍手喝采になる。これは赤ちゃんにとって、タイミングよく祝福を受けているので、脳に快感が与えられすぐに歩くことができるようになります。これは、ドーパミンがドバドバ出ていて、脳はドーパミンが出ることは繰り返しやりたくなります。このように強いポジティブ感情があれば、短期間で習慣化できるようになります。習慣化をデザインする根本的な要素として、感情をデザインする、そして、その感情によってドーパミンを放出してさらにいい気分になるという正のスパイラルが生まれます。

習慣を定着させるためには、意識的に感情を作り出す必要があります。感情の中で最も効果的なのが「達成感」です。そして、達成したことを心から祝福します。タイミングも大事で達成した瞬間に祝福することで、またドーパミンが大量放出されます。これは、自分だけでなく、誰かの習慣化を手伝うときにも効果的です。例えば、子どもに歯を磨く習慣がないときは、モチベーションがないのでガミガミ言って歯を磨かせると出来なかったときに落ち込み負のスパイラルになってしまいます。しかし、たまたま歯を磨いているのに気付いたときに大きめのリアクションで祝福する。すると、次の日もやるようになり、また祝福する。「1週間続いたら、お祝いしよう」と言って、モチベーションを高めれば、1週間自分から歯を磨く。そして、約束通りお祝いする。こうなれば、正のスパイラルになって、楽しく習慣化させることができるはずです。

 

③ 小を大に育てる

ここでは、習慣がどのように成長し、増殖していくのかをお伝えします。「成長」とは今までは、腕立てふせを1日5回だったものを10回にするようなこと。「増殖」とは1つの習慣に紐づけながら、別の習慣を増やしていくことです。この2つに、共通することは、大きな成功をいきなり望むのではなく、小さくても成功の頻度を高めることです。小さな成功でも数多く経験すると、そのたびに満足感が得られ、ドーパミンが出ます。そうすると自信がつきモチベーションも上がっていくので、より困難な行動にもチャレンジしようとするモチベーションが生まれます。

なんでもいいから小さいことを習慣化するのではなくて、自分が変えたい部分から始めます。そのためには、常に自分に質問し分析することも大切になります。こうなると、習慣化や自分を変化させるスキルが手に入ります。5種類のスキルが紹介されていますがそのうち、気になった1つ「マインドセット」を紹介します。これは、「変化に対してどのように向き合うか」「自分の周りの世界をどう解釈するか」に関するスキルです。古い自己意識を新しい自己意識にかえます。これまで自分は運動が苦手なタイプと思い込んでいるとします。普通人はこの思い込みに沿って行動をします。しかし、2回だった腕立て伏せを5回、10回と増やすと同時に、自分は運動ができるという意識に変えていきます。こうなると、次はランニングもやってみようと新しい習慣の変化へと波及していきます。新しい自己意識を身に着ける方法として、関係のある情報を仕入れたり、SNSのプロフィールを変えたりするなど、自己洗脳するように仕向けていくような感じです。

行動を育てるには、まずスキルを身に着けなければいけません。だからこそ、本を読んで終わるのではなく、練習だと思って何か習慣化したいことを今から始めてください。

 

次が最終章になります。近々、更新したいと思います。

また次の投稿でお会いしましょう!!

 

 

習慣超大全 ー BJ・フォッグ 著 須川綾子 訳 ー ②

昨日お伝えしたように、500ページを超える本なので、分割して記事を書いています。今日は第2弾!!今回も素晴らしい内容なので、よだれを垂らしながら読んでいました。では、3つのことをお伝えします。

 

① 分析

② コミュニケーション

③ 能力

 

① 分析

フォッグ行動モデルという相関図を使って、3つの要素について分析していきます。

M(モチベーション)【どれだけ行動したいかという思い】、A(能力)【その行動に対する自分の能力の高さ】、P(きっかけ)【行動を促す何らかの刺激】が一定の条件で満たされたとき、行動がスムーズに起こります。公式で言うとB(行動)=MAPとなります。

朝のスマホ依存という悪習を直すなら、M(見たいという衝動)、A(スマホを手に取れる)、P(目覚まし時計代わりに携帯を使いアラームが鳴る)という3つに分けて考える。Mについては、依存状態ではここにメスを入れるのは難しい。Aは、物理的にスマホを見れないように解約したり、時間設定をするなどの方法があるが実行するには難しいところがある。Pは、近くにあってアラームが鳴ることがきっかけとなっているので、アラームを切って別の部屋に置くことは実行が簡単である。この時は、一番簡単なPから手を入れていく。そして、数回上手くいったことに気持ちよさを覚える。これを繰り返すうちに悪習が改善する。

前向きな習慣を身に着けるには、まず「何を育てるか」を決めることが大切。ここでの落とし穴は、モチベーションに頼ることです。次でお伝えしますが、モチベーションは不確定な要素だし、感情に頼るのでハマるときとハマらないときが大きく違う。にもかかわらず、何かとモチベーションに頼りたがる人を著者は「モチベーションモンキー」と言っています。わたしもこれに近いところがあったので反省しました。

 

② モチベーション

モチベーションを行動変化の最重要ポイントだと考えている人は多いが、これは間違いです。モチベーションは気まぐれですぐ変化してしまい、上下動が激しいものです。モチベーションを3つの源に分けると自分自身(内在している欲求)、行為に対する報酬(アメとムチ)、状況(まわりがみんなしている)となる。このように周りの要素に大きく影響を受けて変化する。また、捉えどころがなく、矛盾し、対立することもある。さらに、日や体調によるし、何より時間がたつと確実に低下してします。行動へのモチベーションはあるものの、方法が分からない場合はストレスを感じることもあります。なので、モチベーションはコントロールしにくくデザインすることも難しい。

モチベーションを使う場合は、行動に対する願いの解像度を上げなければなりません。

そのためにすることは、①願望を明確にする。②行動の選択肢を挙げる。③自分に合った行動を選ぶ。どの行動をするか選択する方法は、願望実現に効果的で、自分が望むもので、実行可能な行動かを考えることです。小さくていいので「したいものでできるもの」を見付けます。これはストレスを感じないので、それをすべてやってみることです。これを繰り返すうちに、大きなことが徐々にできるようになります。

 

③ 能力

成功者を見ると大きなことを成し遂げているように見えるので、大きなことを目標にしすぐに挫折する人が多い。どんな成功者もはじめの一歩は、小さいことから始まる。ただその小さいことを継続する能力は高いかもしれない。さらに、「小さなこと」と「実行しやすさ」のダイヤル調整が上手で、ものごとをシンプルに考えることができる。

行動を決めたのに継続できないときは、自分に質問をする。「その行動をするのに十分な時間はあるか?身体的能力はあるか?」など、質問をすることで、行動を難しくしていることが何かを発見することができます。

スキルを高め、道具を確保し、行動を小さくすることで願望に向かう行動がしやすくなります。行動に対しては、完璧を求めず継続をめざす必要がある。気の進まない日課をサボってしまうと罪悪感を持つ。これが頭に残っているとストレスとなる。これでは継続できない。小さくて簡単なことで脳が喜ぶことをすることで、行動に勢いがつき徐々に大きなことができるようになる。

 

今日はこの3つをお伝えしました。また、近々続きを投稿しようと思います。

ではまた、お会いしましょう!!

習慣超大全  ー BJ・フォッグ 著  須川綾子 訳 ー

今回は、わたしの求めていた本に出会えたので、少し興奮気味にお伝えしたいと思います。しかも、作者も内容も分からず、図書館でたまた手に取った本だったので運命的な出会いを感じました。

まず、著者の紹介です。皆さんご存じスタンフォード大学の教授をされていて、行動科学者の方です。さらに、多くのビジネスマン(イノベーター)に向けて、人間行動の仕組みをレクチャーされています。インスタの共同経営者など多くの起業家に影響を与えている方で「知るべき新たな指導者10人」に選ばれた、すごい人の本です。

めちゃくちゃ為になり、人生にも影響を与える内容だと感じました。500ページを超える内容なので、読み切った後では、最初の内容を忘れていると思うので、自分の頭に残すため数回に分けて投稿し、アウトプットしていきたいと思います。

なので、今回から数回は結論(まとめ)は出さず、ただ、内容をお伝えしていきます。読みづらいかもしれませんが、お付き合いください。最後に、まとめをしたいと思います。

 

まずは、イントロ(前書き)だけを紹介します。ここだけでも、良い本だと分かる内容です。

本の最初に、人の変化は簡単に起こせる(しかも楽しい)と書かれています。次の行には、小さいことは強力だと書かれています。普通の啓発本ならちょっと怪しく感じますが、これについて分かりやすく解説されています。

変化したいにもかかわらず「すぐにサボってあきらめてやめてしまう」ときに、自分を責めるのではなく、やり方に焦点を当てることが大切です。説明書の記載が間違っていて部品が足りないとメーカーにクレームを出して自分のことは責めないにもかかわらず、行動変化に失敗したときは、自分を責める。このように、説明書が間違えているにもかかわらず、自分を責めてもネガティブになり、次の行動を起こせないようになるだけです。行動変化できないのは、人格に欠陥があるだけではなく、そもそも問題の設計に欠陥があることに気付いてほしいです。

効率的に行動変化させるために必要な3つのポイントは①自分自身を裁くことをやめる。②目標を決め「小さい行動」に分解する。③過ちを発見として受け入れ、前進するために役立てる。です。

大きな結果を得るためには、小さな変化に目を向けること、そして、自己分析することが大切です。そこで、筆者が生み出したのが「小さな習慣(タイニーハビット)」プログラムです。ポイントは、あなたが望む行動を1つ選び、それを「小さい行動」に分析し、生活の中で自然に取り組める場所に植え、成長させることです。赤ちゃんは道路で何度転んでも大きなけがはしないが、大人が道路で転ぶと血が出て、ひどいときには骨折します。小さな行動とは、赤ちゃんが転ぶのと同じで失敗しても軽症です。しかも、人間は慣れていないことには、小さなことから始める癖があります。だから、小さな習慣にはリスクヘッジしなくても大丈夫なんです。小さいことだからすぐに立て直すことができます。

自分を変えるには「やる気・意志の力」が一番大切と思われていますが、もちろん大切ですがこれを強化するには、時間が掛かり持続させるのも難しい。ここにアプローチしても、どこかで挫折し同じ失敗を繰り返します。だからこそ、小さな習慣の変化を繰り返すことが大切。これができれば、自然と「やる気・意志の力」も高まります。

タイニーハビット(小さな習慣)の3つの構造は、①アンカー(錨)の瞬間〈アンカーによって思い出す〉、②小さい行動〈アンカーの直後に実践する〉、③祝福〈できた直後に褒める〉です。

この例として、歯間ブラシの習慣づけが紹介されています。①好みの歯間ブラシを見付ける。②歯ブラシの隣に置く。③歯磨きの後に歯を1本歯間ブラシする。④できたことを心地よく思う。こうすると、まず1本できるようになり、自分から2,3本と歯間ブラシをするようになり、気持ちよく習慣化できるのです。

イントロでは、例を挙げて分かりやすく書かれていますが。まだ、詳しい内容を読んでないので、タイニーハビットをもっと詳しく理解し、紹介していきたいと思います。

明日また投稿しようと思います!!

 

現代語訳 学問のすすめ  ー 河野英太郎 著 ー

夏休みに入り時間に余裕ができるので、私にとって「読書の夏」がやってきました。読んだ本をなるべくたくさんブログにあげ、みなさんにお伝えするとともに、アウトプットして本の内容を自分のものにしようと思います。

今日ご紹介する本は、日本人なら一度は聞いたことがある「学問のすすめ」です。勝手に日本文学のように思っていて、敷居が高く読もうと思いませんでしたが、図書館で何となく手にしたら、思っていたものと全然違い明治時代の「ビジネス書」だということが分かりました。さらに、現代語訳なので、かなり読みやすくなっています。著者は、日本IBMで様々なリーダーをし、ビジネス書を書いている方なので、仕事に生かせるコツなども入っていておススメ本です。

それでは、内容を短くまとめると、

「人は生まれながらにして平等である。仕事ができる人とできない人の違いは、学んだか学んでいないかで決まる。」です。

 

①全員が当事者意識をもつ組織は強い

②学んだら行動に移す

③人の自由を奪わない

 

①全員が当事者意識をもつ組織は強い

100年ほど前、明治時代に書かれた「学問のすすめ」は開国して明治維新が起こった激動の時代です。専制主義から民主主義に移行する時なので、国民一人一人の独立意識を啓発しています。そのために、学びの重要性が書かれているのが本書です。「独立」とは、自分で考え自分の行動に責任をもち、他人に頼らないことです。国が「支配する側」と「支配される側」に分かれてしまうと、国民は「支配される側」となり、当事者意識が低く、国を良くしようという責任感ももてません。例として、今川VS織田の桶狭間の戦いが紹介されています。2万以上の軍をもつ今川が、2千ほどの軍の織田に負けた戦いです。この要因として、今川の国民がリーダーである今川義元に頼りきりで、自分たちで考えて行動せず、織田は少数ながらリーダーを中心に策を練り固めたことです。みんなが学ぶことで策を出し合い、勝利に結びつける。これが強い組織になると書かれています。

最近では、ウクライナの国民が侵略戦争に対して、対抗して圧倒的な力の差がありながら善戦しています。日本は、アメリカに守られていると思っているのか、選挙ですら投票率が50%を切ります。国民が当事者意識を失っているだけでなく、強いリーダーも生まれない。国力が下がっているにもかかわらず、国民は危機意識がなく学ぶことにも消極的。力があって学んでいる実力者が海外に仕事を求める。福沢諭吉が、この時代にいたら、この状態に危機感を感じ、打破するような本を出していたと思いました。

 

②学んだら行動に移す

この本では、「本を読むだけが学びではない」と強く訴えています。知っているだけで使えていないと意味がないということです。文献などで知識を得て、頭や心の使い方も学んで、その学びを誰かのために生かして初めて価値ある学問となります。本当に「学問している人」は観察、推論、読書によって情報や知見を集めたら、これを議論を通じて交換し、論文や演説を通じて広く世の中に知見を広めている人だと書かれています。内面は思慮深く、外面は人と快活に接する。両方を使った「学び人」になることを提唱しています。ジャーナリストのように正しいことを発言していても、実行する力がないから理解はできても納得できない状態にならないようにすることが大切です。人の考えや行動を価値あるものにするためには、様々な状況を比較検討し、いいほう、レベルの高いほうに向かい続けること、そのとき、決して満現状に足しないことが大切だと書かれています。現代社会は、明治時代と違って情報や知見はその場でネット検索できます。それで済ますのではなく、それをどう生かすことができるか、どうやったら貢献できるかを考えて、先人を超す力を発揮しようとする気概が大切です。

 

③人の自由を奪わない

人間で一番厄介な感情が「恨み」です。他人と比べ自分が劣っているところを見付け、自分の力のなさを棚に上げて他人に多くを求めます。それを恨みとして持った人が、不満を解消するために、自分が得することではなく他人を損させることを考えます。人の脚を引っ張る人ばかりの社会や組織は、発展するはずがありません。そんなことは、考えればすぐわかるにもかかわらず、自分の負の感情をコントロールできない。こうなれば、世の中全体の幸福の量は減り、生きづらくなるのは当然です。子どもたちは、こんな汚い大人の世界を垣間見ることで、「大人になりたくない、仕事はつらくやりたくない」とネガティブ感情を高めます。自分の行動をしっかりと見直し、周りへの影響も考えてコントロールする力をつける必要があります。派閥や自分の利益ばかりを意識する組織は、自由がなく言動や行動を束縛されます。そうなると、戦いが生まれ行き詰まり感が出ます。そしてまた、恨みが生まれる悪循環に陥ります。組織には何を話しても大丈夫なオープンなコミュニケーションが必要なはずです。そのために、恨みを生まない安心な組織を作る必要があります。人は、もともと意見が違って当たり前。話し合って意見をすり合わせる中で、新しい考えが生まれるはずです。

 

今日はこの辺りで終わりにしたいと思います。140年前も現在も、こんなに文明は発達しているのに、人間の負の部分が変わっていないことは問題だと思います。みんなが学び、もっと生きやすい組織や社会を作ることをこの本は提案しているのだと思います。

それでは、次の本でお会いしましょう。

脳が冴えわたる4つの集中力 ー 青砥 瑞人 著 ー

以前「自律する子の育て方」を紹介しましたが、その本が面白すぎて、著者(青砥さん)を調べると、他にも、出版されていたので図書館をチェックしてみましたが、どこにも置いておらず、すぐさま大きめの書店に行って、今回の本をゲットしました。

面白すぎてすぐに1度目を読んだのですが、私には少し難しかったので、もう一度読み直してみたら、グングン頭に入りました。分かりやすく書かれていたにもかかわらず初見で理解できていない自分の力のなさを感じるとともに、この本の魅力にハマってしまいました。なので、今回も楽しくブログで伝えることができそうです。

 

それでは、さっそく内容をまとめると

「脳の仕組みを理解すれば、集中力の仕組みが分かる。4つの集中力を使って脳の力を最大限発揮させよう」です。

 

①3つの脳内ネットワーク

②4つの集中力の仕組み

 

①3つの脳内ネットワーク

脳科学の本を読めば、よく書いてあることですが脳はすごい力をもっていて、脳は体の2%の容量しかないにもかかわらず、25%ものエネルギーを使っています。なので、脳が一日中本気で働いてしまうと、体はすぐにバッテリー切れになります。なので、脳はいつも省エネ状態です。「Lose  it  or  Use  it」と言って、自分にとって重要でない情報はフィルターを通らず、重要なものだけを取捨選択しています。目からの情報として入ってくるのはたった1/1000だと言われています。意識して見ない限りはほとんど頭に情報として残りません。「意識する・集中する」は脳のエネルギーを多く使ってしまうので、基本的に脳はしたくないのです。

そんな脳には大きく分けて3つの情報処理ネットワークがあります。

①デフォルト・ネットワーク

これは、朝のルーティーンや無意識でやっていることです。過去の記憶により行動が定着していて、心地よさを感じながら考えなくてもできる習慣化された行動をするときに使うネットワークです。だから、脳は効率的に働くことができストレスがありません。

②セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク

これは、脳のフィルターを通すように意識することで気づきを得ます。勉強や仕事で新しいことするときには、この仕組みを使います。初めてのことや苦手なことなので、意志の力が必要になり、脳には負担が掛かります。なので、ストレスを感じ集中力が途切れやすくなります。

新しいこと難しいことをするときには、初めにネガティビティ―バイアスがかかります。これは、生命維持をするホメオタシスの仕組みで、動物である限り無くすことはできません。無意識でできていないところを見付け、行動を阻止しようとしてきます。これにやられると3日坊主のように途中で挫折します。こうならないためには、意識してポジティブにする必要があり、ポジティブに目を向けることで心が快の状態になり集中力が高まります。

本には、ポジティブになるワーク(マインドフルネスなど)が載っていますが、今回は省きます。

③サリエンス・ネットワーク

①②の切り替えスイッチのようなもので、無意識で見ているものから重要なものを感じ、気付きへと誘う仕組みです。この仕組みが使える状態は、心理的安全性が確保されているときです。例えば、「プレゼン本番のときストレスで頭が真っ白になる」ってことがあると思います。これは、過度の緊張により心理的危険性を感知し、脳がシャットダウンした状態です。これでは、集中力など生まれませんね。サリエンス・ネットワークは、あなたの内(心)で起きているストレスなどの変化に無意識で気づくところから始まり、そのことに、セントラル・エグゼクティブ・ネットワークが認識し、対処法を考えることで、急な変化にも対応できる仕組みです。

3つを説明しましたが、この辺は、わたしも1度読んだだけでは理解できなかったことを、なるべく分かりやすく伝えています。それでも意味不明だという方は、本書をお読みください。

 

②4つの集中力の仕組み

①入門集中

受験勉強や仕事をしているときに、机に向かって暗記や資料整理などするときの、必死になっているときの集中力です。一般的には、この集中力が高いと学力が高く、仕事効率がよいと思われるので、ザ・集中力というのが入門集中です。本では、「外に狭く」と表現されています。これは、作業をするなど体の外側で起きていることに意識が向き、限定的な気づきです。この集中力を高めるためには、できるだけ気が散るような環境に身を置かないことです。また、受験のときに集中するテクニックを学んだ人はそれを使うことで高まります。セントラル・エグゼクティブ・ネットワークを使い、ゴールを明確にし意識を向けることで能力を発揮しやすくなります。

②記銘集中

ロダンの彫刻のように、1つのことを考え込んでいるような感じで、自分の内側にある情報に目を向け、思考を巡らせたりそのときの感情を呼び起こしたりする状態で「内に狭く」と表現されています。入門集中で学んでいるときに、自分の過去の記憶などから予測をすることがありますよね。これが、入門集中から記銘集中への切り替わりで、学びを自分事として捉え、そのことについて自己との対話をして、納得ができたときすごく簡単に暗記ができたり、イメージで考えたりすることができ、効率的に学習することができるようになります。入門集中で「ゴールに向かって集中しようとしても、何か気が散る、何のためにやっているのか納得できない」ときには、記銘集中を使って、自分と対話し、再度ゴールを確かめることで集中力の低下を防げるようになります。

③俯瞰集中

広く全体に意識を向けながら、変化に素早く反応し、的確な対応を取れる状態で「外に広く」と表現されています。例えば、自転車に乗る練習をする最初は、ペダルの漕ぎ方ハンドルの向き、バランスなど細かなことに集中し、どうすれば乗れるようになるのか自己との対話をしないと(入門集中・記銘集中)乗れるようになれませんでした。でも、一度乗れるようになる(技能が高まる)と、何の意識もなくハンドルなどの操作ができ、周りの景色に意識が向き、サイクリングを楽しむ(俯瞰集中)ことができるようになる感じです。これは、意識せずに、できたちゃってる状態にするまでの鍛錬が必要になります。土台となる知識や経験があれば、別の興味深い内容について考えているときに、サリエンス・ネットワークが働き「あっ」と新たな気づきを与えてくれます。また、ブレーンストーミングで意見を出し合っているうちに、関連させて新たな閃きを得ることができます。

④自在集中

会議や授業中に「空を見てきれいだな」と空想を広げている脳の状態は、会議など気にならないほど高い集中をしている状態です。1つのことをしながら別のことに思考が向いている状態で「内に広く」と表現されています。これはマインドワンダリングといわれ「思考がさまよう」状態です。新たなイメージがふわふわと思い浮かび、次に向かいまた想像を広げています。脳が無意識で自由自在に働いている感じです。自由度が高くクリエイティブで、思いもよらない閃きができる状態です。

 

長くなってしまいましたが、脳の仕組みや4つの集中力は、これまで全く知らなかったことで、新たな学びばかりでした。本当は、脳の神経伝達物質のことなど、まだ、伝えたいことはありましたが、今回は難しい内容なので、この辺りで終わりにしたいと思います。この記事を書いているときは、入門集中・記銘集中がマックスでした。あっという間に2時間ほど経っていました。

それでは、また次の本でお会いしましょう!!

 

 

 

 

人生がすべてうまくいく「魂の成長」 ー 斎藤一人 著 舛岡はなゑ 監修 ー

今回、ご紹介する本は、3冊目となる斎藤一人さんの本です。3冊とも幸せになるための法則が書かれていますが、どの本も切り口が違い、何冊読んでもあきない内容です。魂と聞くと、世間的にはスピリチュアル、宗教と敬遠されがちですが、この発想をした人はすでに、他人や常識に支配されかけています。注意が必要です。

 

本の内容を短くまとめると「世間の常識が必ずしもあなたにとって正しいとは限らない。思い込みや抑圧から解放し、他人軸でなく自分軸で本当の自分を生きよう」です。

 

①「成功できる人、できない人の違い」

②「自分の機嫌を自分で取ろう」

③「抑圧から解放する方法」の3つに分けて紹介します。

 

①「成功できる人、できない人の違い」

人は生物の中で突出して、やりたいことをやれるようにしてきた生き物です。犬や猫では、工業も農業もできません。これは、人間が欲深い生き物で、欲を満たそうとしてやれることを増やしてきました。こう考えると、欲はとても大切なことですよね。でも、「強欲や欲張り」のように、世間的には欲を悪いイメージで捉えています。「これって変だよね」と一人さんは伝えています。ただ、必要以上に欲を求めるとやりすぎなだけです。必要な欲を満たすことが魂の成長につながります。

人は得意、苦手があって当然だと知っています。でも、学校では、「苦手なこともみんなと同じようにできないとダメ」といやいやながらやらされます。社会に出れば計算が苦手なら会計士を雇い、法律が苦手なら弁護士に相談します。ということは、苦手なことは誰かに頼っているにもかかわらず、学校では、「自分でできることが自立だ」と言って、協力よりも個人の力を上げようとします。昔、僕たちがやっていた宿題の答えを見せ合うことだって協力だと捉えれば、苦手な人は苦しまず好きなことにもっと時間をかけれたはずです。答えを見せてもらった人は、感謝を伝え、次に自分が得意なことがあったときにお返しすれば、うまく回っていくのです。こんな社会の常識を学校でも教える必要があると私は考えています。ちょっと熱くなってしまいましたが、一人さんも同じようなことを伝えています。こんな人には、良い出会いが増え、魂を成長させる経験をたくさんできるはずです。

「ああしたい、こうなりたい」という欲をもち、そのために楽しんで努力する人が成功できる人だと思います。

 

②「自分の機嫌を自分で取ろう」

自分軸で生きられるようになってくると、他人からの影響が減り自分の機嫌を自分で取れるようになります。

例えば、「嫌なことはあるし、まずいものが出てくることもある」というのは、かわりません。それにイラっとするのは当たり前なので、その感情を抑える必要はありません。負の感情をもった後が大切で、感情に引きずられてイライラを爆発させれば嫌な人になりますが、心を整え捉え方を変えることで優しさが生まれいい人になれます。自分で機嫌を取れば、周りからもいい人だと思われ、自分の機嫌はさらにアップします。

悪いニュースを見て、評論家のように理想の状態を熱く語る人がいます。(昔に自分です)でも、理想を話しても現実を変えることはほぼ不可能です。本の中の例を挙げると、「いじめで自殺をしたニュース」を見て、「いじめをした時点で成績を下げて進学に影響が出るようにすれば、いじめは減る」と理想の正論を話していても現実はそうなりません。こんなことを繰り返すと、理想と現実のギャップに焦点がいき、自分の機嫌を取れなくなってしまいます。

身近な人に誠実に接していると、いろいろなところで助けてもらえます。こうやっていきていけば、キレイに生きることができます。見た目も、言い方も、やることもキレイであれば世間が味方をしてくれて、神も見方をしてくれます。そうしていれば、勝手に自分の機嫌を自分で最高な状態にもっていけます。

 

 

③「抑圧から解放する方法」

一人さんは、「魂を成長させるには本当の自分の気持ちに従えばいい」と言われます。でも、「自分の本心が分からない」という人がほとんどだと思います。本心が分からなくなってしまうのは、子どものころから受けてきた抑圧の塊が原因です。親や先生からの洗脳が、世間の常識となり「あれはダメ、これは危険」と本当の自分の気持ちを抑えてきた結果、大人になってもの本心が分からないのです。

すぐに本心に気付けない場合は、常識的なことから始めるといいようです。だから最初は「自分が楽しみながら人に喜んでもらえること」をすることから始めます。次に、他人と比べるのではなく、自分がワクワクすることを見付けやってみましょう。このときに、「みんながやってないから、自分には無理そう」と抑圧をかけてはいけません。また、「本心でやりたいことをするんだから人一倍努力しなきゃ」と自分にプレッシャーを掛けすぎてもいけません。とにかく自分を解放しやってみることで本心が見えてきます。そして、それを楽しむことです。失敗しても本心に従えば、「いい経験ができて魂が成長した」と考えることができます。そして、「もっとチャレンジしたい」と難しいこともやっていけば、さらに魂が磨かれ成長し、自分も幸せに生きることができます。

 

今回も、本を通していい勉強ができました。自分の本心を見つめ、魂を成長させていきたいと思います。もしよければ、手に取って読んでみてください。

では、次の本でお会いしましょう!!