本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

習慣超大全 ー B・Jフォッグ 著 須川綾子 訳 ー ④

今回は「習慣超大全」の4回目であり、500ページを超える分厚い本の最終回になります。ちなみに、1~3回目までは、目次のチャプターごとに紹介してきたので、今回もチャプター通り、3つに分けて紹介します。そして、最後のチャプターが結論になります。いつもなら結論(まとめ)を先に伝えますが、今回は最後になりますので、①~④をすべて読んでもらえると、結論がすっーと入ると思います。それでは、最後、気合いを入れて書いていきます。

 

① 悪習をやめる

② 一緒に変わる

③ 結論

 

① 悪習をやめる

これまでは、どうすれば、良い習慣を身に着けられるかを紹介してきましたが、今回はそれの真逆である悪い習慣をやめる方法です。良くても悪くても「習慣」は同じなので身につく方法や順番は同じです。なので、これまでの、身に着ける方法のどこかを遮断するイメージで読んでください。

例えば、ダイエット中なのに甘いものがやめられないとしましょう。意識(モチベーション)だけでは、よほど意識高い系しかこれでの改善は難しい。なぜなら、甘いものをやめるという行動には、様々な心理が絡まっていて、一つ一つほどかないと結局やめられない。そして、やめれない自分を自己嫌悪して、モチベーションが下がるという悪循環に陥るからだ。だから、結び目を分析し、一番やめやすい、「甘いものを近くに置かない」からやめる(結び目をほどく)ようにしていく。そして、「冷蔵庫に保管しない」。最後には、「甘いものを買わない」というように、段階的にできることからする。こうすれば、「甘いものを食べる」というきっかけを失うことになり、悪い習慣を断ち切ることができる。

 

② 一緒に変わる

これは、家庭での子育てにとても役に立つと思います。最終目標である「子どもにできるようになってほしいこと」を分析して、一番やりやすいものから始めていきます。それができたら「すごい、すばらしい」と行動を認め、一緒に喜びます。こうすることで、子どもは小さなことでも達成感を感じることができます。お父さん、お母さんが一緒に喜んで子どもが笑顔になれば、ドーパミンが出ている証拠です。そうすれば、子どもは嬉しさから自ら次の良い行動をすることがあります。そうすれば、すかさず一緒に喜んで認めます。そして、次は、新しいことを親子でやりながら方法を教えます。これを続けて、一人でできるようになれば、目標達成になります。

例えば、最終目標が「皿洗いをする」だとします。まず、子どもが食べ終わった食器をシンクに置いてくれるようにお願いします。やってくれたら行動を認めて喜びます。次に、食器をシンクの中に入れ水に浸すようにお願いします。これもできたら、一緒に喜びます。最後は、一緒に皿洗いをします。洗剤の使い方や洗い方を教えながら楽しく洗います。ちょっとの失敗や泡で遊ぶことで叱ってしまうとこれまでの、頑張りが水の泡になるので、広い気持ちで一緒にやります。これを繰り返すと、ドーパミンの働きで一人で皿洗いができるようになります。

組織やコミュニティーでも、「一緒に変わる」は効果的です。グループの行動デザインを変えていく人は、一人でも大丈夫。それを自分自身でできるようになる方法が書かれています。ここで格言として書かれていることが「相手がしたいと思っていることをできるように助ける」です。相手が変わるためには、まず、自分が変わる。助けることで自信がつき、一緒にスキルを磨くことで別の変化にも心を開くようになります。自分の行動は常に他者に影響を与えています。だからこそ、他者に与える影響を深く意識しながら、彼らを支援する最善方法を考え実践していくのが一番の倫理的アプローチになります。他者が少しでも変化したことを見付けたら、その行為を認め達成感を実感させることで、ドーパミンがドバドバ出て、自分から行動変化を起こせる人に成長させていきます。

グループで変化する7つのステップを簡単に紹介します。

①一緒に願望を明確にする・・・グループのタイプを見極め、依存的なら自分がリーダーシップを取り願望を決める。個性的なら質問しながら願望を整理していく。

②一緒に行動の選択肢を挙げる・・・話し合いの場をもち、ファシリテートする。

③グループにあった行動を選ぶ・・・挙がった選択肢をモチベーションと能力に分けて、座標軸などを使って見える化する。一番やりやすい小さなことから始める。

④黄金の行動を簡単にして小さく始める・・・決めた行動にどんな障害があるのか、原因は何なのかをリストアップする。

⑤効果的なきっかけを見付ける・・・私のレシピ(〇〇をしたら、△△する。できたら喜ぶ。)を作る。

⑥祝福する・・・「感情が習慣を生む」ことを伝え、できたことを積極的に喜ぶ。改善点があるときは、前向きなフィードバックをする。成果に気付いてないときは、感情を確認し整理し、成功の意味を再定義する。そして、常に励まし元気づける。

⑦一緒にトラブルシューティングし、反復する・・・行動をデザインするが1回でしっくりくることは少ない。途中で軌道修正し、デザインを改善したり問題点を見付けたりする。このとき、自分の意見を押しるけるのではなく、相手がしたいと思っている改善法を見付け手伝うようにすることが大切。

 

③ 結論

この本の冒頭に「変化は簡単に起こせる。小さいことは強大だ。」と書かれています。これがタイニーハビット(小さな習慣)を意味しています。まず最初に、自分がタイニーハビットの成功者になることが大切です。1つ2つ3つと良い習慣が増えていくと、自己意識が変わり、大切な人に影響を与え、さらに周囲に波及していき、他者の考え方に影響を与えることができます。

タイニーハビットの成功者になればそれを身近な人に伝えましょう。伝えるときに意識することは「相手がしたいと思っていることができるように助ける」「相手に達成感を実感させる」です。そして、できたことを一緒に喜び、祝福の方法を教えましょう。こうすれば、ポジティブな変化が起こる文化がグループに根付きます。

そして、みんなが幸福感を感じ、積極的に自分の変化を楽しむことができるようになります。そして、周りのみんなが成長していることをお互いに感謝し合いましょう。

 

最後に私の感想をお伝えします。赤の太文字で書いた、2つの格言は私の人生に大きな影響を与えると思います。教師であるわたしが、子どもたちにこの思いで関われば、子どもたちの幸せを作る手伝いができると思います。

素晴らしい本に出会えたことに感謝して、長かったシリーズを終わりにしたいと思います。それでは、また、次の本でお会いしましょう。