本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

競争教育から共生教育へー仲間と育ち合う教室づくりのヒントー  渡辺恵津子 著

今回紹介する本は、教師をしている私と元同職で、現在は大学の准教授をされている方の本です。わたしの得意分野ですし、なにより「競争から共生へ」という言葉にすごく共感しました。子どもはもちろんですが、大人の社会でもこれからの時代はこの流れが来ると信じています。会社では、同僚の中で出世競争があり、同業者との競争があり、足の引っ張り合いをしている様子がドラマなどでも注目を集めています。でも、これって社会全体のことを考えるとすごく効率が悪い。「人間はもっと善なる生き物のはず」(きれいごとですがわたしの信念です)と考えています。余談が長くなったので、本題にもどって今回の本を紹介していきます。
 

この本も、自分なりにまとめてみると、
「子どもの表情や行動から心の中を想像し、子どもの目線になって共感し励まし続けることが大切」です。


この本を読んで、共感したポイントを2つ紹介していきます。
1つ目は、勉強ができない子への対応!教師がいくら熱心に教えても「やる気が見られない」「親も協力的ではない」と子どもや親の責任にしてしまうことが教師にはよくあります。しかし、子どもは分からないことにあきらめてしまっていたり分からないつらさを見せないようにしたりします。これが反抗的だと見ることもできますが、本当は分かるようになりたいという心のサインだととらえることもできます。そこで、教師や親が励まし、自分を受け止めてくれているんだと感じることができれば、一歩踏み出すことができて「できない自分でもまんざらでもない」と自己肯定感をもてるようになる。これって知っているだけでもとても大きいだと思います。
 

2つ目は、子ども理解についてです。子ども理解が大切なことは、分かっているものの大人の主観が入ってしまいます。でも、基本の基は「子どもを基に考える」です。そして、名言があったので引用します。「見えるものしか見ないタイプと見えないものを見ようと努力するタイプの2つがあり、深い理解ができる教師は見ようと努力するタイプだ」「子どもたちに伴走する教師の仕事は、子どもの内なる力への限りない信頼と見えないものを見ようと努力する深い眼差しから始まる」と書かれていました。そのためには、行動を注意深く見ることも大切ですが、やっぱりコミュニケーションをしっかり取ることです。そうすることで、子どもが抱える問題の糸口をつかむことができると分かりました。
 

まだまだ、様々なことが紹介されていました。特に、子どもへの対応と子どもの変化が具体的に紹介されていてすごく勉強になりました。今日はこれぐらいにして。

また次の本で会いましょう!