本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

子どもたちの光るこえ  ー 香葉村真由美 ー

今回、紹介する本の著者、香葉村真由美は教師としてはかなり有名な方です。
今は教師を退職され、講演家とし全国で教師のときの体験をお話しされています。
私も講演を聞きに行ったことがあるんですが、感動で涙しました。
そして、教師としてのモチベーションも爆上がりさせてもらった方です。
この本を読んで、そのときの感情がよみがえり、また涙してしましました。
この本もチョーおすすめです。

では、本の紹介に移りましょう。
今回も本の内容をでまとめてみます。
「教師は、心の内の声を聴け!子どもの力を無条件で信じろ!そして、無償の愛を注ぐんだ!」です。
ただ、本を読むうちに、モチベーションが上がるとともに、自分はここまで子どもを愛せるのか?
そこまでできる自信がない。と、心が揺らぐところもあります。
だから、全部を真似しようとするのではなく、自分にできることからやっていくことが大切だと思います。私は、自分にもできると思ったことは、途中であきらめずにやりきろうと考えました。

本で紹介されている香葉村先生の体験の中で、私の印象に残ったものを2つ紹介します。
1つ目、ターニングポイントになった出来事です。教え子が大人になってから先生のところに訪れて、生きることに疲れたと打ち明けられます。その時に、『「がんばって生きなきゃ」とアドバイスしたところ3日後に自殺をしてしまった』というショッキングなことが起こりました。うつの人にやってはいけないアドバイスをしたことを悔い、自信を失って教師を辞めようとしたところ教室の子どもたちに励まされます。そういった経験から教師として、次のステップに進まれたようです。

2つ目は、6年を担任された時の問題児(シュウ)との関わりです。シュウは、5年までに様々な問題を起こし誰も担任を持てないような子どもでした。その担任に立候補し、クラスみんなでシュウを受け入れる学級経営をされました。シュウが問題を起こすのは、いじめを受けたり先生に認めたもらえなかったり家庭があきらめてしまったりといろいろな原因があることをクラスのみんなに伝え、みんながシュウを受け入れたと書かれていました。こんなことができる先生は、ほんの一握りだと思いますし、みんなに愛情を注いだから子どもたちが先生になびいたのだと思います。そして、卒業式では、シュウは立派な姿になり、学級みんなが感動の涙を流したと書かれていました。

エピソードのほとんどがドラマのような本当の話。この本を読むと、教師という仕事の尊さを感じます。ただ、こんなドラマを起こせたのは、香葉村先生が苦しい経験と戦い、その反省を次に生かして命を懸けて教師という仕事に打ち込んだからだと思いました。同じ経験はできなくても、私もドラマを起こせるように、努力することを誓いました。

長くなっていますが、もう一つだけ紹介させてください。
朝の会で行った「活力朝礼」のお話です。
これは、「居酒屋てっぺん」という一時期メディアでも取り上げられた会社で行われている朝礼です。この朝礼は、とにかく自己肯定感を高め、自分は価値がありやればできるんだという気持ちにする朝礼ですが、知らない人が見ると宗教的に見えるものです。社長である大島啓介さん(予祝でおなじみ?)と知り合ってするようになったそうです。この朝礼がネットなどで紹介されました。その動画を見た輩から誹謗中傷が起こり、教育委員会や学校にクレームが来たそうです。子どもたちにとってはとてもいいことで保護者も応援していたにもかかわらず、中身を知らない人たちの無責任な声でかなり苦労されたそうです。

ながーい投稿になってしまいましたが、教師という仕事のいい面がたくさん書かれています。ただ、その裏で、努力や苦労をされたことはあまり書かれていません。この本は、教師の良さだけでなく、そこに至るまでにどんなことをされたのかという想像を働かせて読んでいただきたい一冊です。
それでは、次の本でお会いしましょう!!