本好き教師の読書感想文

現役小学校教師がおすすめ本を紹介しています!

予祝のススメ 前祝いの法則  ー ひすいこたろう 大嶋啓介 共著 ー

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今回は、僕が繰り返し読み、いつもモチベーションを上げてくれる一冊をご紹介します。

他にも多数出版されている著者の紹介から参ります。ひすいこたろうさんは、コピーライターをしながら心理カウンセラーの資格も取られています。名言を紹介するブログなどはネットで検索してもすぐに出てきます。大嶋啓介さんは、「居酒屋てっぺん」の創業者であり、僕が大好き高校野球のメンタルコーチなどもされていて、講演会も人気がある方です。

では、さっそく結論をまとめてみます。
「願いを叶える最大のコツは喜ぶことであり、予め喜ぶことで幸せになり、奇跡も起こすことができる」です。

まず、予祝を知らないという方への解説から入りたいと思います。
予祝とは、日本古来から行っている習慣です。分かりやすいのが桜の花見です。米作りが主だった昔、秋の豊作を願い、田植えの時期に桜を見ながら米で作った酒を飲んで先にお祝いをしてしまう行事だったと書かれています。要するに、現実ではまだ起きていないけど、もう叶ってしまったという前提で予め祝おうということです。西洋的に言うと、アファメーションみたいなことです。
「先に祈れば叶う」って変な宗教か詐欺みたいな話!「もうこれ以上読みたくない」とならずに、できれば最後までお付き合いください。誤解が解けるはずです。

嘘みたいなことがなぜ起こるのか原理を紹介します。
人の脳は心で意識したもの(望み、夢など)が叶う方法を効率的に見つけようとする機能をもっています。そして、行動をし始めると他のモノと共鳴して、心で意識したものをさらに効率よく見つようとする連鎖を生み出します。引き寄せのようなことです。
これを成功させるために重要なことが「心の状態」です。次に、重要なことを見つけに行ったり見つけたものを実践したりする行動となります。
方程式で言うと、「いまの心の状態」×「行動」=「未来」となります。「いまの心の状態」の最大マックスがワクワク感情です。この感情は「喜び」となり、「未来を具体的にイメージする力」を高めます。
そこで、新しい方程式が成り立ち、「未来のイメージ」×「喜び」=「予祝」となります。
なので、予祝をするためにまず必要なのは、「喜んだ心」を作ることとなります。

次に、本の中で紹介されている予祝の成功例を、僕の好みで2つ紹介します。
1つ目は、同業である小学校教師の例です。
この学級では、運動会で優勝することを予祝しました。そこで、先生がしたことは、「予祝学級通信」です。何かというと、優勝した次の日に出すようなまだ起こっていない出来事を記事にしたお便りを作りました。内容は、「リレーで3位でアンカーにバトンが渡り、最後は2人を抜いて1位でゴール」「あきらめずに最後まで戦ったのが優勝の要因です」といったものです。これを学級全員に、運動会の前に渡し、先にお祝いをすると、みんなの士気が高まり本当に優勝をしたそうです。

2つ目は、秋田明桜高校の野球部監督の例です。
ずっーと甲子園を目指していても叶わなかった監督が、甲子園出場を予祝しました。監督はこれまで甲子園に行けないことを選手のポテンシャルにあると考え、厳しい練習・指導に明け暮れていたそうです。しかし、行けないことは全て自分のせいだと考え直し、大会前に選手全員に予祝メッセージを送ります。エースには「チェンジアップが一級品でした。あの完封は素晴らしい投球でした。」キャプテンには「よく全体をまとめて素晴らしいキャプテンでした。セーフティーバントが決勝点となりました。」と書かれたカードを渡したことで、もらった選手は監督からの愛を知りました。両者が感謝の心でつながったとき、選手たちはポテンシャル以上のプレーをして、甲子園に出場できたそうです。

最後に、何を予祝するか、願いや夢についてお伝えします。
予祝をしようにも、願いや夢がなくてはできません。そして、その願いや夢が本気なのかが何よりも重要となります。簡単な見分け方で言うと、「なりたい」は動機のみで本気ではありません。「なる」だけでも本気ではありません。「なる」をさらに「何のために」「誰のために」と深堀していきます。追求することで、そこに誰かへの感謝の気持ち、恩返しの気持ちが加わってくると本気に近づいています。そして最後に、その気持ちを感謝を伝えたい本人や仲間などにシェアします。これで、本気の願いや夢の完成となります。

僕自身、本を読んで本物の予祝について考えた結果が、
「達成したときに喜んでくれている人の表情までを明確にイメージ」し、「最高の心の状態で先に喜ぶ」ことだと思いました。
今自分の願いや夢を本気のものとし、本物の予祝をすることで、最高の幸せを手にしたり奇跡を起こしたりしたいと強く思いました。

今回も自分の学びをシェアする形となりましたが、気になった方は、本を手に取って読んでみてくださいね。それでは、次の本でお会いしましょう!!!